2010/05/31

収支

今日はちょっといつもと違う話を手短に。

本日、今月初めに受けた健康診断の結果が来ました。これまでの診断では悪いところも疑わしいところもなかったのですが、今回は、中性脂肪の項目が"C"(要経過観察、生活改善)に・・・

自覚はあります。運動(週約4~5回)してカロリー消費しているとはいえ、それにもまして摂取しているカロリーが多すぎますからね。ただ、実際に診断の項目としてマークされると、さすがにちょっと気をつけないと、と思います。本学科某先生のように、僕も本格的にダイエットしようかしら。と言っても、基本線運動はしているので代謝は良い訳で、これまたやることは分かっています→○○を取らなければ良いだけ。

一カ月くらい○○断ちしてみましょうか。一旦止めると継続するのは比較的簡単なんですが、スタートの時点で宣言しておかないと始めにくいので、敢えてここで宣言。明日からスタートします。
何故明日からなのかは、聞かないでください。

2010/05/26

まとめるのも大事だけれど、「発信」するのも大事

最近、忙しくてなかなか更新するのが難しかったのですが、偶然(笑)良さそうなWeb記事を見つけたので紹介します。これは、実質このブログの一発目のエントリの内容にもつながるところがあるかと思っています。


最近、どうやって情報をまとめるか、とか、どうやって”ちゃんとした文章を書くか”と言ったことにばかり気がいっていましたが、もちろん、社会に出れば(or 高専や大学の高学年になれば)、パワーポイントやKeynote(Mac)などを用いて口頭で発表する機会も増え、その重要性もウェイトを増していくことでしょう。
最近思うのは、パワーポイント等のソフトウェアを用いて資料を作った段階で、発表が8割がた終了した、と思っている学生の多いこと。重要なのは、素晴らしい資料を作ること、ではなく、聞いた人にとって身になる(or 聞く人が目標を達成できる)発表をすることなのに、何故か”枝葉”にばかり意識が行って、結局伝えたいことが伝えられない人が多かったり。

そういう人にとっては特に、5分で「伝えたいことを何としても伝える」という制約はむしろ、良い方向に作用するように思います。

2010/05/17

卒論から報道まで

某TV番組などで、”何かを調べる”といったコーナーがある時、個人的な意見ではありますが、そもそも”先に答えありき”なのではないかと訝ってしまうことが少なからずあります。
何故かというと、一見アンケート等の一般的な手法を使い、いかにも多くの人から広くデータを集めましたよ、というポーズをとりつつも、そもそも質問の内容が明らかに回答者を”ある方向”に導こうとしている内容であったり、答えが複数考えられる質問であったり、場合によっては質問対象となっている人が明らかに偏っていたりするからです。

でも、多くの人は一般的に、アンケートを取った、という事実だけを見て、それならこの結果は納得だ、と思ってしまうんでしょうか?
意外とこの手の調査は頻繁に行われ、かつ、場合によっては結構シリアスな調査でも同様の疑問を抱くことが少なからずあります。

データはウソをつく(谷岡一郎 著)

この本はまさに、この手のアンケートの”裏”や、アンケートの取り方の間違いについて書かれた、非常に興味深い本です。
そもそもこの本は、我々がアンケートを取ったり、実験データを記録したりするとき、どのような取り方をすべきなのだろう?ということを改めて考えるために購入した本なのですが、読み進めて見ると、世の中では非常に多くの場面で”データがウソをついている”ことがあると認識させられました。

例えば我々が(シミュレーションも含めた)実験をする時、出て欲しい結果とは必ずしも合致しない結果が出ることがあります。このような時、我々は何故そのような結果が出たのかを考えながら、当初の仮説を修正するのか、それとも、今回のデータはあくまで例外として扱えるのかを考えることになります、通常は。
ここで、時間やお金、その他諸々の理由で、データは出てしまったけれど隠してしまえ、データの数値を書き換えてしまえ、となると明らかに犯罪となります(100歩譲って犯罪とはならなくても、倫理的にあ大いなる問題となり、場合によっては科学の進歩を大きく遅らせることになります)。
結構最近、韓国でもクローン技術関連で大きく話題になりましたね。

そこまで大きな問題とはならなくても、データの取り扱いには十分注意する必要があります。場合によっては、当事者が意識していないうちに、データの良い面しか見ていなかった、良い結果が出るようなデータの集め方をしていた、という場合もあります。
本書の前半は、特に、得られたデータにウソをつかれない方法や心構えが記述されているので、特にこれから実験を繰り返してデータ収集と評価を行う人にとっては非常に勉強になる内容が含まれていると思います。

上記のような、一部不可抗力的なデータのウソではなく、敢えて”データにウソをつかせる”ような方法も存在しています。冒頭にも書いたように、質問の仕方に何らかの意図があったり、質問を投げかける対象が明らかに偏っている場合、というのがそれに当たると思いますが、それらについての記述があるのが本書後半となります。
詳細については省略しますが、情報化社会と言われて久しい現代、自分にとって必要な情報をどう見分けるかも重要ですが、得られた情報がウソを含んでいないか吟味して、対象の真の姿を知ろうとすることも重要な姿勢だと思います。
そしてこのような”データのウソを見破る””誰が見ても納得するようなデータを示す”能力は、技術者や科学者が絶対に身につけていなければいけない能力でしょう。僕にその能力が十分に備わっているとは思えませんが、少なくとも、人にウソを教えるようなことだけは避けられるよう精進していかなければいけませんね。

2010/05/12

日本の未来

人類にとって21世紀は希望のある社会になっていると思いますか?

なかなかドキっとする質問から始まる本

科学技術は日本を救うのか(北澤宏一 著)

は、GW中に読了しました。冒頭の質問は、1999年に米、中、韓、日の高校生に対して実施された調査の中に含まれていたそうです。結果がどうなっているか、実際に興味のある人は本書を読んでもらうとして、この本は、研究、産業、双方の面における「科学技術」が、今後の日本の行方にどれほどの影響を与える(と筆者が考えている)のかが述べられています。

第一章では、日本の科学研究の現状が、世界の主要国との比較をもとに記述されています。著者がJST(科学技術振興機構)理事長であることもあってか、悲観的な部分もありつつ、かなり楽観的、というか、”未来は明るい”といった論調での記述が印象に残りますね。もちろん、それなりの根拠も併せて示されていますから、そういう意味では非常に勇気を持たせてくれる内容、と言っても良いでしょうか(最近、その手のニュースが少ないから、かえってこのくらいで良いのかも)。

ただ、第二章、第三章と進むに従い、本の内容が科学技術云々と言ったところから、日本が低迷するに至った構造的問題や、その問題を解決するための取り組みに関するところへシフトしていき、ちょっと本のタイトルからは離れてきている?といった感想も抱きました。ただ、原因を分析しない限り、科学技術であれ観光であれ、何を手段としても日本の再生はない、ということなのでしょうね。

第四章では、それでは、日本を担う若い世代の人にどのような道を示すか、といった内容になっているのですが、ちょっと他の章と比べてボリュームが少ないかな、という印象が。
この本のハイライトは、やっぱり一章でしょうか。知っている情報も少なからずありましたが、かなり知識が整理されます。また、三章に記載されている”第四の価値”(第4次産業)という考え方も、なかなか斬新で面白いと思いました。

2010/05/10

過去の栄光ではありますが

リンクがまださびしいので、東京高専の皆さんの先輩の活躍をPRする(&顧問の同好会をPRする)目的で、一つリンクを追加しました。
関係者の皆さんは既にML経由で知っているかと思いますが、昨年千葉県木更津で開催されたプロコン2009課題部門で最優秀賞を受賞し(その他いろいろ受賞しました)、その活躍が認められてITジュニア賞を受賞したメンバーの記事です。

今年は高知県での開催です。昨年の成果は成果として、また新たな気持ちで全国大会進出へ向けて頑張って欲しいと思います。

2010/05/07

世界へ羽ばたく研究者に

さて、会議が終わりました。

ゆっくりとではありますが、ボチボチtwitterのfollowerが増えてきたので、こちらのサイトの存在も明らかになりつつある様子。それはそれで更新せなあかんがなという話でちょっとしたプレッシャーではありますが、その分、読書のモチベーションにもなるのでまぁ良いかと。

と、言っておきながら、今回はいきなり少々手抜きです(笑)。本というより雑誌の一記事を紹介します。雑誌名を人工知能学会誌と言います。まず、学会誌と呼ばれるものについて説明しましょう。多くの(我々のような高専教員を含む)研究者は、何がしかの学会に所属しています(僕の所属学会はこちらを参照)。もちろん、基本的には自分の研究分野に関連する学会に所属します。所属すると、特典は学会によって様々ですが、分野に関連する雑誌が送られてきたり、論文誌が送られてきたりします。学会誌と論文誌は通常異なっていて、論文誌ではまさに、研究者が自身の研究成果をまとめた”論文”を投稿し、他の研究者による審査(査読と言います)に通る(これをAcceptと言います)と掲載されます。今回は、論文誌ではなく、人工知能学会誌の一記事を紹介します(ちなみに人工知能学会は、会員でなくても論文誌をオンラインで無料公開しているという太っ腹な学会です。AIに興味のある人は覗いてみると良いかも)。

紹介するのは、人工知能学会誌 Vol. 25, No.3「日本人研究者が世界で活躍するために」という記事。最近では事業仕分けに関連して、日本の科学技術振興のための施設が云々、などという議論もよくニュースになりますが、いかんせん、単純な”インパクトレベル”で比較すると、日本は世界(ここでは主にアメリカ)に劣っていると言わざるを得ません。その理由は、皆さんの多くは苦手としているであろう、言語(英語)によるものです。研究世界の共通言語は、分野に関わらず英語です。もちろん、最新の研究論文も英語で発表されます。日本の研究者が優れた研究をしても、それを海外の優良な論文誌(Journal)に発表しないことには、誰も(と言っても過言ではない大多数の研究者が)それに触れることができない訳です(ちなみに僕は高専卒ですが(?)英語は大好きです)。

本記事にも、それと同様の事が書かれていて、それに加えて世界(米国)と日本の研究環境の違いが述べられています。記事を読めばすぐ、”それは著者がその環境にいるからそう思うのでしょう?”といった感情が湧いてきます(注:著者は日本人ですが、現在アメリカスタンフォード大所属。同時に日本では東大所属なので、要はスタンフォード(in シリコンバレー) と 東大(in 東京)の違い)。ただ、読み進めるにつれて、一理あるなというようにも感じてきます。
二つの国(大学)の環境の違いを、筆者は各小節で以下のようにまとめています。
  • 天気
  • 言語
  • 世界中の知を輸入するアメリカの科学技術政策
  • 明確な人事評価と雇用の流動性
後半の二つ辺りは、それこそ先ほどの事業仕分け辺りとも関係してきそうではありませんか?
そして、まとめの一つ前で、”日本人研究者が世界で活躍するために”として筆者なりの考えが著されていますが、個人的には同意できる部分がかなり多くありました。特に印象に残った一部を抜粋します。
英語の克服法であるが,地道な積み重ね以外に方法はない.(中略)最終的には自分のすべての研究成果を国際会議,英語の論文誌への投稿につなげると強く意識する意外に方法はない.(中略)ときにはうまくいかないことも出てくるであろう.そんな場合は,仮に一旦撤退することがあっても,また次のチャンスが回ってくるはずだと信じ,楽観主義でいることこそが重要であると思う.
大学への編入学,さらには(もしかしたら存在するかもしれない)研究者への道を模索している皆さんは,興味があったら読んでみることをお勧めします(例によって,僕の部屋に来れば貸します).
もちろん,編入を考えていない学生にとっても,世界で活躍するエンジニアを目指す人や,アメリカと日本の文化の違い等を”てっとりばやく”知りたい人にはお勧めできると思います.
いやいや,そもそも高専は即戦力の技術者を養成する教育研究期間だろ,という突っ込みもあるかと思います.次回は,”エンジニア”にとってためになる本を紹介したいと思います(もちろん,学生生活の参考にもなります).

P.S. 意外と長文になったなぁ.推敲してないので誤字があったらすいません.

2010/05/05

第4弾は・・・

実は今日の午後、高専の僕の個人HPにこのブログのリンクを張りました。
ということで、本当に本格的にオープン(行き当たりばったりでURL入力して偶然このブログにぶち当たるという奇跡を経なくても辿りつけるようになったという意味で)した訳ですが、実際、一切の”広報活動”を行わない場合、どのくらいの人がここを見てくれるのかが興味深くもあり不安でもあり。

もし、ここを”発見”した人は、何らかの足跡を残しておいてくれると嬉しいです。とか言って、1カ月経っても誰も見ていないようであればさすがに悲しいので、密かに(?)広報活動しながらエントリも上げていこうと思いますが・・・

ちなみに、リンク(本ブログ左端下半分以降あたり)に載せた二つのサイトのうち一つは、つい先日オーストラリアに旅立たれた本学科の小嶋先生のブログです。リンク先では、海外在住の間はお休み、とのエントリがありますが、そのエントリからリンクを辿ると”メルボルン編”のブログへと飛べます。小嶋先生のブログは、良い意味で随分気楽な内容になってますね。これはこれで非常に面白いと思うのですが、こちらまでそんな内容にしてしまうと”共存”が困難になりますので(?!)、当面は若干硬派な内容で行きたいと思います。

もうひとつのリンク先は、既に書籍化されている、理系白書の著者、関係者の方のブログです。

本オープン?

ゴールデンウィークの最終日になりました。この連休中、小旅行に行ったり買い物したり、いろいろやりましたが、もうひとつ充実していたことと言えば、”本をたくさん読めた”ことでしょうね。

実際のところ、自分が予想していたほどには読めなかったので少し残念ではあったのだけれど、現時点で4冊ほど(3冊読了、2冊は途中まで)読みましたね。

一冊、面白かった本を紹介します。

「話す」「書く」「聞く」能力が仕事を買える!
伝える力 (池上彰 著)

プレゼンテーション能力については、僕に限らず多くの教員から色々と注意されている高専の皆さんだとは思いますが、我々のような(?)立場の人に言われるより、池上さんのような、TV等で実際に活躍されている人から実例を交えて説明された方が自分のこととして捉えられるのでは、とも思います(※:知らない人のために補足・・・池上彰さんは、長らくNHKの”週間こどもニュース”を担当され、現在でも民放TV局で多くの番組で、ニュースを分かりやすく伝える仕事に従事されています:例えば今日も「そうだったのか!池上彰の学べるニュースSP!!」なんていう番組が)。

池上さんは、大きく分けると(本当は好きな分け方ではないのですが)文系の方でありますので、我々のような工学系、理系の文章作成、プレゼンテーションとはアプローチが必ずしも一致しない部分があるのですが、「伝える」という意味では、まさに僕の言いたいこと、考えていることを過不足なく代弁してくれているように思え、読了して嬉しくなるような本でした。

もちろん全部すっかり読み切って欲しいですが、基本的には1章と5~8章を読んでもらえれば、エッセンスは抽出できると思います。
読んでみて、印象的だったフレーズを二つだけ書き出します。興味のある人は読んでみて下さい(一冊だけなら、僕の手元にあります)。

”深く理解していないと、わかりやすく説明できない”
”パワーポイントを作ること自体が目的になっている人が多い”
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