2014/11/01

今年もあと2ヶ月、などと考えている余裕はない

現在,自宅近所のカフェにて仕事中でしたが,一休み(=現実逃避)として久しぶりにブログを更新しています.
現在取り組んでいるのは,今年度2本目の国際会議向け論文.といっても,今年の”国際会議”開催地は双方とも国内(笑).とはいえもちろん原稿は英語だし,地元開催だから執筆が楽になるということもなく,締切は締切として当たり前にやってくるので,結構厳しいスケジュールで追い込まれているというのが実際のところ.

タイトルにも記載した通り,今考えてみれば今年もあと2か月なわけですが,振り返っている余裕は全くないですし,残り2か月の予定も,今入っているものは何とか把握している(していないものもあるかもしれない)けれど,いつイレギュラーに新しい仕事が降ってくるか分かりませんので,できるものはできるうちにどんどんこなしていかなければならないわけです.

そんな状況ではあるものの,今年度,というか今年をこれまでと比較してみると,気が付くことといえば2点
  • 去年以前よりも忙しい
  • 結構研究成果がでている
ということでしょうか.
前者は言わずもがなで,何でこんなことになっているのかは全く理由が分からない,ということにしておきます.
後者については,今年がどう,というわけではなく,これまでやってきた活動が実になったのが今年,といった認識です.一緒に研究してきた本校の学生さん,および共同研究機関の先生や学生さんの協力によるものですが,ありがたいお話.今やっていることが数年後,実になるかどうかについても,今どれだけ頑張るかにかかっています(これは断言できる).
先日の集会でも話題になったノーベル賞.これ自体は素晴らしい快挙であり,祝福されるべきものですが,「だから日本の科学研究は”今も”素晴らしい」という考えには異論があります.上述の通り,研究というのは,それが実になる前の膨大な努力の期間があるわけです(僕自身の研究と比べるのもおこがましいですが,僕でさえ,研究をしっかりとした成果としてまとめるのには早くても3年,長ければ5年程度かかります).僕は理論も応用もやっていて,応用の方が比較的”ものにしやすい”ですが,これだって分野によって違うし,より大規模な研究や基礎研究になればもっともっと膨大な時間(とお金と労力)がかかります.
今回のノーベル賞受賞も,スパンとしては10年,20年以上の単位での研究の成果であり,少なくともその当時の研究環境が充実していた(もちろん,研究に携わった各先生のセンスと努力,ならびに周囲の協力体制も含め)ということの証明であり,必ずしもそれが現在の状況を表しているわけではないと考えます.
要は,今から10年20年後,同じくノーベル賞を取るような日本人の科学者が現れれば,”今の”日本の科学技術(および研究環境)は素晴らしかった,となるでしょう.そうなってほしいですが,どうなることやら.
そして個人的には,日本の科学技術水準がどうであろうと,実になる研究を少しでも増やすべく地道に仕事をするだけです(もちろん,将来ノーベル賞をとったり,社会に貢献するという実をつけられる優秀な学生を育成することも,最優先目的の一つです・・・が,こればかりは僕一人が頑張ってどうにかなるものではないので,学生の皆さん自身,自分が実り多い将来を勝ち取ることができるよう努力してもらう必要があることは言うまでもないこと).
@dkitakosi からのツイート