2017/03/26

年度末となりまして

おおよそ,4〜6ヶ月に1回程度の更新頻度で落ち着いてしまっている(苦笑)このBlog,特にこの1年間については,色々と書きたいことはあったものの”あまりの多忙さ”のため,本当にBlog更新に意識が向かなかった(一瞬意識が向いてもすぐに飛んでしまった)というのが率直なところです.


今年度は本科では最上級学年である5年生の担任(学級指導教員=進路指導担当)ということで,普段の卒研指導に加えて,様々な指導に従事してきました.
ただ,この1年間5年生の担任をやってみて感じたことは,”進路指導”という表現は(やはり)適切ではないなぁ,ということです.

卒研指導にせよ,進路指導にせよ,実際に頑張るのは学生,という点では同じであるものの,こちらでコントロールできない要素,予測しづらい or 不能な要素が多過ぎます.
また,研究であれば,(当然,最初からゴールが確定しているような研究はありませんが)進む方向をある程度ナビゲートすることができますが,進路指導,特に就職希望の場合,書類作成や手続き上の指導やマナー・面接の指導などはできても,結果として自身の希望する進路から合格(内定)をもらうのは,当の本人の普段からの努力(準備)次第です.

上記で比較対象にしている卒研指導も本来,指導という表現は不適切だと個人的には思っていますが,大学と高専における研究指導の双方を経験している自分としては,少なくとも
”大学における卒研指導では,いわゆる指導はほとんどしていない”
と言えます.
(大学編入学し,卒研や学会発表を経験した先輩に聞いてみるのが一番ですが,良くも悪くも「手取り足取りの指導」をそれらに対して実施するのは,恐らく高専時代だけです)


正直申し上げて,研究についても進路決定についても,取り組む姿勢やしておくべき準備,および,ある特定の状況において(自身の経験上,同様の状況に遭遇している場合)どうすれば良い方向に進むかのアドバイスはできるものの,当たり前と言えば当たり前ですが,結局のところ”やるのは自分”です.

先日某学生に「卒研生としてきてもらって嬉しい学生はどんな学生?」という質問を受けましたが,その際の僕の回答は”真面目で意欲のある学生”でした.当然,研究分野に関する事前知識や周辺知識,プログラミングスキルなどはあるに越したことはないものの,それらがあっても上記の二つの資質がなければ研究は進まないしまとまりません.逆に,真面目で意欲のある学生なら,なんだかんだいっても,最終的にはなんとかなるものです.


気がついたら,進路指導から卒研指導の話題に切り替わってしまいましたが,実のところ進路指導においても卒研指導と同様,大事なのは真面目さと意欲であろうと思います.
真面目さや意欲がある学生は,見ていると分かりますし,当然,それは普段の振舞にも現れます.逆に,口では真面目だ,意欲的だと言ってみても,実際にそうであるかどうかは,

  • 普段の連絡や報告をしっかりしているか
  • 困った時には(困った時こそ)すぐに相談してくるか
  • 日々,少しでも(企業研究や編入試験勉強,卒研テーマに関する勉強等を)進められるよう努力しているか

といった点を観察していれば,本当かどうかはやはり,すぐに分かります.
真面目だったり意欲があっても,センスやスキルがなければ就職も編入学も研究もうまくいかないのでは?という意見もあるかもしれません.それはある意味正しいですが,上述の通り,日々努力していて,普段から密に担任(指導教員)と連絡を取っている学生であれば,教員も”なんとかしてやりたい”と思うものです.
あぁ、この点も一つ補足しておきますが,教員(ここでは主に僕)は別に,上記の学生を差別(区別)していたり,そうしたいと思っているわけではありません.当然のこととして,どの学生にも立派に卒業して欲しいと思っているし,その際,できる限り学生にマッチした就職・編入学先が決まっていて欲しいと思っています.
が,上のような真面目さや意欲が足りない学生に限って,学生からの連絡・報告はないし,こちらから連絡しても返信がなかったり,とんでもなく遅れてからやっと返事が来たりと,”なんとかしてやりたいと思っていてもできない(そのようなサポートができる状況にない)”ことがほとんどです.

そういう意味でもやはり,卒研指導や進路指導という表現は適切ではなく,各学生が研究活動や進路活動(就職活動 and/or 編入学試験勉強)を進める上で我々教員がサポートする,といった表現の方が実際の活動によりマッチしているといえるでしょう.
今年度1年間の経験を経てみて,逆に「指導」という表現がなされることで,各学生が卒研や進路活動が”自分たちの問題”であるという当事者意識を希薄にしているのかもしれないとさえ思いました.

来年度以降,研究活動,進路活動を行うことになる学生の皆さんには是非とも,当事者意識と主体性を持って,地道に取り組んでもらうことを期待します.

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