猛烈に多忙な今年度,久しぶりの更新です.
多忙な中でも(いや,だからこそか)毎日,原則早朝に起床し運動しているのですが,その際のお供はTV,動画よりもFMラジオが多いです.土日も関係なくラジオを聴きつつ運動しているわけですが,土曜日早朝にやっている音楽番組”みのらじ”が,マニアックものからミーハーものまで様々なジャンル,年代の音楽を扱っていて非常に面白く,しばらく聴いているうちにパーソナリティのみの氏が邦楽通史に関する書籍を出版していることを知りました.
一言で言うと,タイトルに記載の通り”一気に読了”したほどの面白さ.書籍紹介にもありますが,縄文時代から初音ミクまで,文字通り日本とそれを取り巻く海外の音楽,芸能に関する歴史の流れを網羅していて,興味深い書籍でした.
特に興味を惹かれたのは,明治時代と現代における”演歌”の違いや,それとは反対に,かなり昔の時代から”推し”に類似した文化があったこと,富国強兵と音楽との関係性などなど,いくつ上げてもキリがありません.
また,これまでいまいち把握しきれていなかった,ハードロックとヘビーメタル,プログレ,パンクといった様々なロックの派生分野の違いをある程度把握できたことも収獲.楽器や芸能に関する今昔の話題はもちろん,最終的にはヒップホップやボカロまで,本当に一通り邦楽の歴史を網羅しているところは面白いの一言.
邦楽や特にロックを愛するベテラン(!?)の方や,場合によっては若年層からも炎上したと,著者自身のYouTubeチャンネルでも取り上げられていますが,事象の捉え方は個人差があって当然でしょうし,それが誹謗中傷ではなく建設的な議論となって,むしろかえって多様な視点から邦楽史を振り返ることができるようになればそれもまた素晴らしいことと思えます.
当初はラジオから入り,その後本書,さらにYouTubeチャンネルとどんどん作品を追いかけていっていますが,元々マニアックなものの見方が好きなので,こういったバックグラウンドの話や,「そもそもこの分野は・・・」といったように歴史を掘り下げて大元まで辿り着こうとする姿勢も好きなので,結構なボリュームのある本書ですが(計500ページ弱あります),実質3日くらいで読み終えてしまいました.
ぶっちゃけ,ちょっとしたハンドブック,辞典並の分厚さではありますが,邦楽全般に興味のある人,もしくは日本史と音楽との関係性に興味がある人にはおすすめです.
ところどころ,てにおはに違和感のある部分や一部誤植もありますが,基本的にはほぼ気にすることなく,驚きや発見や納得と共に読了できるのではないかと思います.
p.s. そうそう,J-POP というジャンル(用語?)がJ-WAVE 発信だったということも,知りませんでした.こういう話も面白い.