2019/02/24

残り(約)1ヶ月です

 タイトルに記載の通り,そろそろ帰国まで1ヶ月近くとなって来ました.当然といえば当然,既に東京都は色々と来年度に向けてやりとりをしていますが,並列して3月初旬と中旬に講演が1件ずつあるのでその準備と,こちらでなんとか年度内に実施したいなぁ,と考えている実験の準備をしています.

 講演の準備は大体順調で,あとは練習を継続的にやっていけば大きな問題はなさそうですが,講演は実のところ”話しておしまい”ではなくて,招待いただいた先生と関連する研究の話をしつつ(今後の)研究協力の可能性についても相談したいと思っているので,その辺りの準備も合わせてしなければと思っている次第.

 高専では来年度の卒研配属関連の話も進んでいると聞いています.さて,来年度はどんな学生さんが僕の卒研室配属となるのでしょうね.楽しみです.上記の通り,年度末は色々とやることはあるものの,”お互いの幸せのため”を考えると,配属が決まるのであれば,出来るだけ早めに最低限1回は打ち合わせを(オンラインで)しておいたほうが良いな,と思っているところです.僕が担任をしていた時もそうですし,それ以前もそれ以後もそうですが,卒業研究に限らず,いわゆる研究に関する活動は準備を早めにしておくに越したことはありませんし,継続的にコツコツと進めていくことが唯一かつ最も効率的な”卒研攻略法”です(関連する話題は以前,1月25日付のブログエントリにも記載しています).
 テーマを早めに決めることはもちろん,できることを早めにやっておくことで,大過なく卒研を完了できる(=卒業できる)ことになったり,大きな問題にハマった時,それが(早めに始めておいたことで)今の時期で良かったね(xヶ月後だったら危なかったね)となることも少なからずあるというのが,過去の経験からの教訓です.とはいえこればかりは,卒研を担当する当の学生さん本人がどのくらいそれを実感として捉え実際に振る舞うか,によりますので,我々教員が首根っこをつかまえてやらせることはできません.
 1年間,日本には滞在していませんが,研究自体は継続していますから,良くも悪くも(?)海外滞在によるブランクのようなものは一切ないと,個人的には思っています(日本とも定期的に打ち合わせはして来ていますしね).

 そんな盛りだくさんの年度末ですが,家族全員で長期滞在というのも,残り少ない状況となって来ましたので,スケジュールを調整してちらほらと観光的なこともしています.

 ここ最近だと,2月初旬から始まった旧正月を祝うランタンフェスティバルにも行って来ました.台湾各地でイベントをしていて,今年一番大きなフェスティバルは屏東県(毎年持ち回りだそうです)のようなんですが,現在我々が居住している桃園エリアでもお祭りをしていました.以下にいくつか写真をアップしておきますが,まぁ,たくさんの人が訪れる賑やかなイベントで,かつ,非常に綺麗で楽しいイベントでした.





 一方,石垣島等とと同緯度の台湾,日によって暖かかったり(暑かったり)寒かったりですが,1週間ほど前は非常に暖かく,(恐らく)ソメイヨシノと種類は違いますがキャンパス内で桜が咲き始め,たくさんの観光客の人が写真を撮っていました(改めて写真を見ると,ソメイヨシノっぽくも見える・・・).



 ちなみにこの桜は,東日本大震災の当日,2011年3月11日に植樹式が行われたとのことで,記念の石碑も一緒に設置されています.震災当日に植樹された桜の木が,このようにたくさんの綺麗な花を咲かせられるほどまでに大きくなったことが,震災から多くの時間が流れたことも表しているようで,感慨深いものがあります.

2019/02/05

久しぶりの感覚

Twitterやfbではお知らせしたので知っている人もいるかと思いますが,この度


に申請した研究課題が採択されました.
それ(=研究助成)って何?という人もいるかと思うので,少し詳しく説明します.

高専の学生なら知っている(ハズ)と思いますが,高専の教員は研究を(も)します.それは知っているかと思いますが,研究のためのお金(経費)は”ある程度”,所属している機関(僕なら東京高専)からいただいています.これはいわゆる研究教育(教育研究)機関,例えば大学などでも同様ですが,特にこれらの機関が独立行政法人化してからは,国から各機関に配分される予算が年々減っているので,各教員に割り当てられる研究経費も減ってきているのは,どこでもだいたい同じ状況です(ちなみに僕の場合,最初に大学で勤めた年が独法化元年なので,それ以前がどれほど良かった(?)のかはわかっていません).

それでもやっぱり,(多くの)教員は自身の研究をしたい.でも,研究をするには時間も必要だし,(分野やテーマにもよるんですが)お金も必要,となった場合,お金の面に関していうと,様々な機関・組織が研究者やそのグループ,場合によっては研究機関に対して,”競争を勝ち抜いたら(審査に通ったら)あげます”というお金を用意してくれています.これがいわゆる「競争的研究資金」と呼ばれるものです.
これらは名前の通り”競争的”な資金ですので,ある種の審査があって,募集しているテーマに合っているか,研究計画は現実的(実現可能性がある)か,達成することで社会的・学術的に価値があるか,などなどの基準をクリアしないと獲得できません.また当然,金額が大きかったり,人気のあるテーマだったりすると応募者も多いので競争倍率も上がります.

競争的研究資金の中でも,おそらく有名なのは,文科省が募集する科学研究費補助金(科研費)というもので,これは応募者も採択者も日本で一番多いと思います.このような政府機関などが募集する資金がある一方で,民間の機関(例えば今回僕が採択いただいたような財団)が募集する資金というものもあります.このような財団は,実は調べればたくさんあるのですが,ある意味,”研究分野の数と同じくらい”(というのは大げさかとは思いますが)色々な分野に特化した資金が募集されています.

今回僕が(と共同研究者の皆さんで)応募した財団は,
「人間と遊び」という視点に立った科学技術に関する調査、研究及び開発の推進
を目的としていて,僕らが最近取り組んでいるテーマにもマッチした内容であったので,幸いなことに採択テーマに選んでもらったというのが実際のところかと思います.

民間,政府機関にかかわらず,この手の資金はもらったらおしまい,ということはありません.何にいくら使ったのか,ということについてはもちろん,研究の成果がどの程度出たか,についても,期間の途中や,助成期間終了後に報告することが求められます.
が,税金であったり,財団の資金をいただいたからには,研究の過程や成果を報告するのは当然でしょうし,個人的にはそういった資金をいただく中で,報告することが普通のこととなっています(倍率が高いほど,不採択になった研究も多いわけで,不採択研究の分も!?真面目にやらなければと思うわけです).

実際,科研費の場合は採択テーマの状況が全てデータベース化されているので,キーワードや研究者名で検索すれば,誰がどんなテーマでいくらもらっていて,(終了後のテーマならば)どんな成果を挙げているかも簡単に検索できます(ちょっと脱線しますが,例えば今後大学編入学や大学院進学を考えている学生の場合,こういったデータベースから希望する大学や教員を探すと言う手もあるかと思います).

ちなみに,僕の研究費獲得状況はHPの
研究業績&外部資金獲得
のページで(最新のものを除いて)公開しています.
そこを見てもらっても分かる通り,民間の財団から助成をいただくのは”12年ぶり”です.本当に久しぶり(笑).
ここ最近も,何年かに1回は申請していたんですが,言い訳させてもらうと,年々応募者が増えるというのが一つ.また,これも当然と言えば当然ですが,関東圏は競争相手が多いので倍率が高い,と言うこともあるかと思います(前回採択の時点では,僕は名古屋の大学に在籍していました).

とにもかくにも,今回このように予算をいただくことができたので,来年度は研究室にいる学生さん,および共同研究者の皆さんと一緒に,是非とも身のある成果を挙げていきたいと考えています(・・・と悠長に書いてはみましたが,実は研究期間は3月からスタートなので,僕は台湾にいながら,早速研究に取り掛かりたいと考えています).

2019/02/02

英語の勉強

現在台湾在住(そろそろ帰国準備もしなければ・・・)ではありますが,個人的にはこの期間,語学の勉強という意味では英語に一番力を入れています.台湾の大学では,かなりの割合の教員がアメリカの大学で学位(Ph. D)を取っています(体感で,7〜8割くらいでしょうか.残り1割くらいが國立台湾大学,1割弱くらいが母校=中央大學なら中央大學で学位を取った教員,といった感じでしょうか).

そんなこんなで,ほとんどの教員が英語が堪能ですし,英語で実施されている講義も結構な割合であります(台湾は実のところ日本より少子化が進んでいて,海外から積極的に学生を受け入れていることもあり,英語で講義を行うのが効率的だったりします).海外の教科書をそのまま講義で使うことも多いので,教員ほどではないですが,学生も英語が得意な人が結構多く,(個人的には中国語も勉強したいんですが ^o^;;)英語のコミュニケーションスキルを磨くためにもいいモチベーションをキープできます(参考までに,外国語として日本語を勉強している学生もまぁまぁいるので,日本語を喋れる人もたまにいます&蛇足ですが、ほんの少し,ほんの少しだけ,僕も中国語は喋れる?ようになっています).

こっちでも英会話のレッスンを受けたり,受け入れ先研究室の先生との会話も英語ですし,こちらで開催された国際会議にも参加しましたので,そう行った意味でも英語は継続的に使っていて,同時に勉強もしているという状況です.

会話,という意味では,率直に言って,いわゆる日常会話レベルであれば”恥ずかしがったり,ミスを恐れていては話にならない”というのが実際のところで,多少単語のセレクトに誤りがあったり,適切な表現がすぐに浮かばなかったとしても,こちらから伝えようとする意欲と,伝わるまで表現を変えて話し続けるという,ある種のバイタリティが大事だと思います.
一方で,同じ会話であっても学会での発表やミーティングでの専門的な内容,また,当然といえば当然ですが,英語で論文を書くとなった場合には,適切な専門用語を知っていたり,ある程度一般的な文法をマスターしていたり,(これは日本語でのプレゼンや論文執筆でも大前提ですが)理論的に筋道立てた話の流れを意図したり,と言ったことも重要になります.

読み書き and/or 会話において,英語を苦手とする人にはいくつかの原因・共通点があると思いますが,中学校,および高専で英語を習ってきた人にとって,特に読み書きの面で苦手意識のある人は,
”ボキャブラリの少なさ”
が大きな要素を占めているように思いますが,それに加えてもう一つ
”適切な表現を探す難しさ”
というハードルがあります.
例えば,「示す」という意味の英語表現一つを取っても,show, present, display, express, reflect, indicate, exhibit, ... などなど色々な単語が(辞書を調べれば)出てきます.熟語も加えればもっとたくさん出てくる場合もあるでしょう.大前提として,”色々な状況で使用される”「示す」という意味を持つ表現が脳内にストックされている(ボキャブラリがある)ことが重要ですが,加えて,自身が表現したい意図を正確に表す「示す」はどの単語(or 熟語)なのかを押さえておかないと,意味だけ見るとあってるけれど,どうにも違和感があるとか,その表現をここで使うと変な(ネガティブな)意味で捉えられる,と言った不都合が生じる可能性も出てきます.

特に最近,何かの英作文を学生に指示・依頼すると,”日本文をGoogle翻訳で変換したそのまま”を提出してくる学生が多いように思います(苦笑).実際にそうなのかは確認していませんが,「いかにもGoogle翻訳で出てきそうな」訳文であることは見る人が見れば一目瞭然です.一方,じゃぁGoogle翻訳は役に立たんかというと,実はすごく役に立っていて,僕もかなり重宝しています.
使い方としてはまず,”英語にしやすい日本文”を入力として用意して翻訳し,出てきた訳文を見ながら日本文を調整し,良さそうな翻訳候補が出てきたら,そこからそのまま使えそうな部分はそのまま使い,こちらが意図するニュアンスと違う単語を,(字面上は)同じ意味の別な単語や熟語表現に置き換えて完成させる,と言った具合です.

ちなみに,意図するニュアンスに近いかどうかを調べる際,文章の一部をフレーズとして(ダブルクォーテーションで挟んで)google検索してみて,どのくらいその表現の文章がヒットするかをヒントにすることも多いです(二つの表現で検索して,より多くヒットした方がより一般的=よく使われるとみなす).

上記のような方法があるんですが,そもそも論としてやっぱり,どれだけ単語を知っているか,そして,同じ意味合いで別の表現(ニュアンスで使い分ける)をどれだけ区別できているかが,論文を書いたり学会発表したりする際には重要になってくるわけです.
これをいきなり論文執筆(学会発表)初心者に求めるのは難しいのですが,来るべきその時に備えて,単語のストックと,どの場面でどの単語が使えるかの知識を蓄えておくことはできます.
一つの有効な手としては,”単語を調べるとき,英英辞典 and/or 類語辞典(Thesaurus)を使う”ことが挙げられます.例えば,ある一つの動詞を日本語から英語にしたい,という場合,和英辞典を使うといくつかの「候補」が示されるわけですが,ほとんどの辞典には同じ意味となる単語のリストは提示されるものの,それぞれがどんな場面で使用されるかの詳細は記述されていないことがほとんどです.そのような時英英辞典を活用すると,その英単語がどんな場面でどんな風に使われるのか,具体的な説明が記載されているので,ニュアンスを含めてその単語を使用する適切さを判断できます(英英辞典=英語話者にとっての国語辞典なので).同様に,類語辞典を活用すれば,ある意味を持った単語に対して,それと類似した意味の別な単語(synonym),熟語をリストアップしてくれるので,表現の幅が広がります(ついでに反意語=antonymも押さえておくと一石二鳥です).

最近はオンラインでの英英辞典,類語辞典も比較的良いものが出てきているので,先ずはその辺りから試してみても良いかもしれません.これから英語での発表や,論文執筆のチャンスがありそうなみなさんには,参考にしてもらえればと思います.

いやいやそもそも,絶対的なボキャブラリが足りてないからどうしようもないんだよねぇ,という人もいるかと思いますが,そう言った人向けのアドバイスは,また別の機会に書ければと思っています(今年度内に書かないと,書くチャンスがなくなりそうだから近日,頑張ります).
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