2021/11/26

賞状が届きました(学生さんの)

 以前,恐らくtwitterでは伝えたかと思うのですが,去る11月6日&7日と開催された(ちょっとタイトルが長いんですが)

に参加した学生さんが優秀発表賞を受賞しまして,先日表彰状が届いたのでこちらでも紹介しておこうと思います.

この研究は継続研究で,かつ杏林大学との共同研究となっています(研究期間は,はや10年くらいになるでしょうか).先行研究や関連研究を調査しつつ,自身のやるべきことを定め,計画を立てて進めていく必要がありますし,現在研究している他の学生と同様,5年生や専攻科生はこういった研究がすべて自身の卒業研究,特別研究とも対応しているので,要は”研究進捗がある=卒業に近づく”という意味でも重要性が高いわけです.

今回,このシンポジウムに参加した学生は3名いますが,受賞しなかった学生も含めて,3名とも準備をしっかり整えて参加できたこと,また,うち1名がその努力を認められたことは,今後の研究進捗にも良いモチベーションになったのではないかと思います.

また,こういった学会発表をすることのメリットはいろいろあって,

  • 自身の研究進捗を整理できる
  • 高専内でのフォーマルな発表会に向けた良い練習になる(高専内の発表会が学会発表の練習となる場合もある)・・・練習,と考えることで比較的参加のハードルが下がる&資料を一回作ると,それをもう一方に転用できるので効率が良い
  • 他の機関の学生の良さや自分たちの良さ(意外と外部の学生も・・・)に気付いたり学んだりできる

といったところもあるので,学会の規模やハードルの高さはいろいろあるものの,例えば指導教員が「この学会に出してみない?」と勧めた学会については,参加を検討してみる価値が十分にあるのではないかと思います(ある人にとって明らかにレベルが低すぎる/高すぎる学会を勧めることは,少なくとも北越はありませんし,(あり得るとすれば)百歩譲って少しレベル高めの学会を勧める場合は,リスクもメリットも説明します.
あ,ただ,今後の卒研発表会に向けて,発表しておいた方が絶対にメリットがある,という学会の場合,”半強制的に”参加してもらうことはありますね(そして上のシンポジウムはどちらかというとそんな感じでした,が,日程上都合の合わなかった学生さん(今回は1名いました)まで,無理やり参加させたりはしていませんよ).

個人的に&原則的に,論文提出締切に余裕があって,教員から見て発表できると判断した場合でなければ参加はお勧めしないので,お勧めされたということは,自分は参加の資格がある,と受け止めて,前向きに検討してもらえると,少なからず自分に返ってくる収穫や手応えがあるのではないでしょうか.

2021/11/25

オンラインの功罪

 去る11月19日,今の所は今年度最初で最後の僕の口頭発表である基調講演が終了しました.ただ,これはちょっと流石に”無事終わった,とは言い難い”状況です(苦笑).

まず,これはこちらの事情ですが,あまりにも多忙過ぎてリアルタイムで(ライブで)発表がちゃんとできる自信がなかったので,事前に発表動画を録画し本番で再生していただき,質疑応答のみリアルタイムで,という形式にした点.
これは別の視点から見ればオンラインの利点,とも言えるでしょうね.ぶっちゃけ発表内容を覚える必要がない(今回,僕も100%発表内容が頭に入っていたかといえば,少々自信のない箇所がありましたし,そうなる可能性があったので録画にしたという経緯もあります).まぁ、対面オフラインの学会でもカンペ見ながら発表するような(1億歩譲って学生なら許せますが,そうでなければ本来,登場の時点で退場処分に相応しい)人もいるので一概にはいえませんが,覚えているかどうか,と言うより,覚えてしまうくらい練習を積んでいないと,そもそも自信を持って発表に臨めないし,さまざまな状況に対応できないのでは?と個人的には思っています.

実施する対象が授業なのか,学会発表のようなイベントなのか,もっとフランクな座談会,ワークショップ的なものなのかによっても違うでしょうが,良くも悪くも一方通行的なイベント(発表者以外はあまり発言しない/できないようなイベント)であれば,表向きは問題が起こりづらいですよね.授業の場合,

  • どこからでも参加できる
  • 録画をとっていれば後日見直して復習できる
といったメリットもあり,学会などのイベントでも前者は同様かと思いますが,双方向的なやりとりをしない/できないとなると,どうしても授業が単調になって飽きられやすくなったり,単純に理解しづらくなるということもありますよね.

今回の基調講演は,いわゆる”ハイブリッド形式”(現地でオフライン参加する人もいれば,オンラインで参加する人もいるスタイル)でのシンポジウム内で行ったのですが,何といっても

”オフラインでの質問=現地会場の参加者からのマイクを通した質問が悲劇的に聞きづらい”

のが大問題でした.
現地の人は会場のスピーカーで問題なく聞こえているのかもしれませんが,オンライン参加者にとっては,質問者とマイクとの距離やその他ノイズ,会場スピーカーからマイクに改めて入ってくる音声によるエコーなどの影響で,もう正直いって何をいっているのかさっぱり分からないという状況でした.

ただ,これも質問者によって違って,知ってか知らずか,上記のようなノイズやエコーが入りづらい喋り方(マイクの使い方?)ができる人もたまにいたりと,必ずしも常に聞きづらいわけではないのですが,オンラインでの発表音声&オンラインでの質問音声は常に問題なくクリアに聞こえる(少なくともオフラインでの音声よりは確実に)ので、これはハイブリッド形式特有の問題かもしれません.

現地に行かなくても参加できるというのは,ある面では強力なメリットであるものの,完全にオンライン or オフラインに振り切ってしまった方が,運営側にとっても参加する側にとっても,少なくとも発表や質疑の環境だけにフォーカスしたら快適なんだろうな,ということに気がついたのが,実は今回の最大の収穫だったかもしれません.

一方で,今回ダメだったからもうダメだ,と思っているわけでは全くなく,上にも書いた通り,ちゃんとできている(聞き取れる質問ができる)オフライン参加者もいたので,”正しい方法を身に付け”さえすれば,ハイブリッドでも違和感ややりづらさを感じることのないイベント参加・運営の方法を模索していけば良いのだと思います.
コロナ禍自体は当然,今後どんどん改善・解消していって欲しいと思うものの,今回得られた様々な正負の経験は全てしっかりと生かしながら,コロナが去ったから全部対面に戻す,みたいなことでなく,ベストなハイブリッド,ベストなオンライン,それらを踏まえたベストなオフラインのイベント実施・参加ノウハウをマスターしていきたいところです(で,その時々に応じたベストな形式でイベント参加できれば,むしろオフラインのみの場合よりも生産性は確実に向上するのでは,と期待しています).

2021/11/18

国際シンポジウムが開催されます、が

 基調講演でお話しさせていただくISET2021,暦の上ではもう明日,開催で,初日の午後イチに僕の講演が予定されています.また,僕が論文投稿をお勧めした,東京高専や千葉工大の学生さん,教員の皆様の発表もあります.以下はシンポジウムのProceedings(予稿集)へのリンクです.

今回,オンラインとはいえリアルタイムで発表することを当初予定していたのですが,発表の前後が猛烈に立て込んでおり,発表準備の時間がどれだけ取れるのか未知数であったので,事前に動画を録画し提出させてもらう形式としました.ある意味そのおかげで”発表が近づいてきた実感”がイマイチ体感できない,という厄介な状況にはなっているものの,実際現在,発表直前である今日も,明日の発表直後も色々と予定が詰まっていて,事前録画にしておいて本当に良かったなと思っているところです.

ただ,本当であれば現地に出張し,在外でお世話になった皆さんへもご挨拶させていただきつつ,発表でもその場で聞いているみなさんの反応を見ながら質疑したかったというのも本音です.実際に現地に行けるということになれば,それ自体はかなりのモチベーションになると思いますが,それこそ現在,これだけ忙しい理由の一つでもあるコロナの状況が落ち着いてこないとまだまだ難しいでしょうね・・・

来年の今頃には国内外問わず移動が楽に&安全にできる状況となっていることを期待しつつ,今回のシンポジウムも可能な限り他の皆さんの発表を聞いておきたいと思っています.それは単なる知的好奇心であることはもちろん,ここ最近全く英語でのコミュニケーションを行っていないため,自分の本番(発表は事前録画しましたが,その後の質疑はライブですので)に向けて少しでも耳と頭を慣らしておきたいという下心もあります.
19日1日の諸々が終われば,(仕事的には定期試験の問題作りや採点など,ハードルはまだまだあるものの)心情的には”今年のデカい仕事は終わった”という感覚になりそうな気がしている&流石に今年はもう仕事を納めさせて(苦笑)という心情になりそうです.

@dkitakosi からのツイート