2020/12/28

2020年を振り返って その2の2

前回,遠隔授業について書いていた”その2”の続きなので,”その2の2”とナンバリングさせてもらいました.
前回、今年度の大きな出来事として遠隔授業を取り上げ,1. 準備について、2. 技術面・環境面について考えてみましたが,今回は残る一つとして,以下のテーマを考えます.

3. 来年に向けて

遠隔授業に限った話ではありませんが,恐らくコロナを取り巻く現在の状況は単純に年や年度が変わったからと言って一気に好転するようには見えないので(ワクチンが普及すれば変わってくるのかもしれませんが),それを前提として今後どうすべきか,考える必要があるかと思っています.
今回は遠隔授業をテーマとしていますのでそこにフォーカスして考えると,前のポストでも書いた通り,今年度かなりヒィヒィ言いながら作ってきた授業資料があることが,かなりのアドバンテージとなるのは事実でしょう.もちろん,今年度の学生の皆さんからのフィードバックを踏まえた改良は必須ですし,”どこをどれだけ”変える必要があるかは十分に吟味の上,変えるべきは変え,変えないところは変えずに行きたいと思っています(社会実装とも関連しますが,サービス提供対象者のあらゆる意見を全て聞くこと ≠ 最良のサービスであるところが,難しいところであり,面白いところ).

可能であれば,最も大きく変えていきたいところは,授業を受ける学生の皆さんとのInteractionは,より多様に,かつ頻繁にしたいと思っています・・・が,遠隔授業のプラットフォームでそれを実現する場合,こちら側はもちろん受講側の環境もそのような改善を実現可能なインフラとなっている必要があることが悩ましいところ.一部学生は受講端末がスマホだったりしますので,スマホのような小型の端末であったり,通信環境が必ずしも高速でないような場合でも実現できる方式を用意しつつ,参加者全員の環境がある水準以上である場合には,そのような環境ならではのinteractionの方法も用意しておきたいです.
そう言った意味では,今年度以上に”対話のための選択肢を多く用意しておきたい”というのが,来年(度)の具体的な目標となりそうです.

もしかすると,そんなところ気にしてもしなくても受講する側は関係ない(むしろウザい)と思う学生も少なからずいそうな気がしますが,これまでの経験上,そして現状は決して十分な分量ではありませんが,今年度の遠隔授業で得られたデータをもとに分析すると,実際にできるかどうかは別としても,教員に意思を表明しようとしてくれる学生さんの方が,総体的にみて単位取得に苦労しない(=心配な状況となる前段階で教員が気付ける)印象があります.これは,遠隔/対面に関わらず共通した部分と思う一方,interactionの手段が急激に制限された現在,特に顕在化した一面だと思います.
意思を表明しやすい状況を作ること,意思を表明できる手段を用意しておくことで,多少なりとも授業を受けやすい,研究活動に従事しやすいと思ってもらえるだけで,ストレスは減るのかな,と.

個人的な工夫は必須として,やっぱり組織的な改善も重要だと思っていますが,こればかりは自分一人の意思ではなんともならない部分がありますから,そこは”0ベース”と見なしておき,サポートがあったらラッキー(苦笑)くらいに思っておきたいですね.

取り急ぎここ数週間の間で,ハード面で不安なく授業が実施できるような整備を進め,特に音声入出力と,手書き文字入力の環境を改善できればと考えているところ.ただこの辺りも,実は改良したはずが受講側にとっては改悪になっていた,みたいなことは十分にあり得るので,例えば年明けのある授業で僕が「○○,新しくしたんだよね♪」と言っていたとしても,具合が悪いようであれば「それ,改悪です」と教えてもらえると嬉しいです.

2020/12/26

2020年を振り返って その2

 研究面でのお話をざっくりと前回、記述しましたが、今度は授業関係について.

これはモロに学生の皆さんにも関係する話題ですね.
皆さんにも是非聞いてみたいです.今年の授業はどうだったでしょうか?

どんなことにも良い点,悪い点がありますが,今年度の授業実施形態についてはまさに,様々な視点でその両面があったように思います.
まず,今年度の東京高専での状況をおさらいすると,新年度早々の入学式は中止,引き続いて4月から2ヶ月は対面授業を中止.5月から,一部授業について遠隔授業が始まり,6月に入り対面授業が一部再開(一部は遠隔),後期はこれまで2回臨時休業がありました.

対面授業の実施にも遠隔授業の実施にも様々な立場から賛否両論があるかと思いますが,ここでは個人的な感想と考察,そして来年に向けた将来的な観点で書いてみます.

1.準備について

率直に申し上げて,学生教員双方に,環境面・技術面はもちろん,心の準備という面でも準備は足りなかったと思っています.そりゃそうですよね.前回のエントリで書いた震災ほどの突発性はないにせよ,1月下旬あたりに感染事例が報告され,その後国内で感染者が確認されて以降は文字通り”あっという間”に休業まで行ってしまった感覚ですから,止むを得ない面はあります.
ただその一方,遠隔授業のある面におけるメリットや可能性については議論されていて,遠隔授業の実施を試行しようといった流れはあったものの,何のきっかけもなくじゃぁ遠隔に,となっても中々その流れは進まなかったのでは,とも思われるため,否応なく遠隔授業を実施せざるを得なくなり,やってみたらやはり大変な面はあったものの収穫もあった,という”経験”は非常に重要だと思っています.
個人的には,授業までの遠隔化経験はなかったものの,実はここ数年で課題の提示や収集は徐々にオンライン化を進めていたので(在外研究での海外滞在期間中に準備を進められました),一から十まで一気に遠隔化,というほど大変でなかったことは救いでした.ただ,学生の皆さんにとっては慣れない遠隔授業で苦労した部分がかなり多かったのではないかと思います.ある程度学年が上になると,むしろ”早起きしなくて済む”(苦笑)とか,わざわざ学校に行かずに授業を受けられるというメリットの面もあったかと思うものの,入学早々休業で,授業が始まったと思ったら遠隔で,という新1年生の皆さんは,かなり大変な思いをしたのではないでしょうか?僕は5月早々の1年生向けの遠隔授業も担当したので,そこでの学生の皆さんの困惑ぶりを目の当たりにもしていますし,授業を行う教員の側もかなり手探り状態だった記憶があります.また,学年が上であったとしても,例えばこれまで授業担当などでの付き合いがなく,実質初対面が遠隔授業となると,教員としては学生の顔と名前が一致しない,当然,各学生がどんなキャラクタの学生なのか分からないというのは,非常にやりづらかったです(これは学生の皆さんも同様でしょう.この人どんな先生なの?というのが分からないと,授業も受けづらいのでは・・・).

授業準備も実際大変でした(一部現在進行形)が,これに関しては一度ベースの資料を作ってしまえば,2年目以降の負担はかなり軽くなることが予想できるので,実質”今年度限り”の苦労です.ただ,上述のとおり来年度も新入生は当然入学してきますし,初対面の学生を対象にいきなり遠隔授業,というシチュエーションもあるでしょうから,この辺りを,今年度の状況を踏まえてどうやってスムーズに快適に授業が実施できるか(授業を受けてもらえるか)がカギとなってくると思います.

2.技術面・環境面について

1.で書いたこととも関係しますが,今回は緊急,想定外,かつ,”やらざるを得ない”状況であったがため,当然,技術面・環境面での準備がバッチリ整っていていつでもWelcomeな教員はいなかったかと思います.当然,学科による違いや,文系科目理系科目の違いに加え,教員が教材や授業のオンライン化にどの程度興味があるか(誤解を恐れずに言えば,前向きであったか),実際に準備をしていたか,準備ができる機材的,技術的,時間的,心理的な余裕があったか(あるか)と言った様々な要因で,いわゆるスタートラインがどの程度前後するか,そもそもスタートラインに立てるかと言ったところにかなりの差が生じた印象があります.

例えば,在宅勤務であった場合,自宅のネット環境やPCのスペック,音響設備の充実度はかなり影響がありますし,じゃぁ学内で授業をするとなったら十分な環境が整っているかと言えばそうでもない(苦笑).個人的には,PCのスペック的には(流石に?情報工学科所属ですので)問題はないと考えていましたが,カメラとマイクについてはいまだに十分に満足していませんし,遠隔授業中の”板書に変わる手段”としてのタブレットないしは液タブについては,自宅と学校で格差があります.また,授業資料についてはそれこそ,現在のものが遠隔授業用としてどの程度マッチしているのかは,100%の確信を持っては使用できていませんので,資料の改善はもちろんのこと,インフラ面での改善も急ピッチで進めていきたいと思っています.ただし,これについては教員個人でできることには限界がありますので,学校全体としての環境整備・改善はmustでしょう.

また,当然と言えば当然,学生の皆さんの側も好むと好まざるとに関わらず遠隔授業が始まってしまったわけで,受講環境にどうしても差が出てきてしまうという点はある程度避けられない状況でした(いや,現在進行形ですね・・・).教員の側は,受講環境の差によって理解度や,それこそ単位取得率に差が出ることは可能な限り避けなければいけないわけで,そう言ったところも意識しつつ資料や課題を準備するわけですが,そもそも提供する側の教員にも環境や準備状況の厳然たる差が生じてしまっているわけで,ますます対応が難しかったというのが今年度であったと思います.
このような差が”生じたまま”という状況は今後絶対に避けなければいけないので,少なくともギャップを少しでも埋めるための,可能な限り解消していくための工夫や,環境の改善を進めていく必要があるでしょう.教員一人一人ができることはやりつつ,加えてやはり,高専全体での環境整備や制度変更も必要になってくると,個人的には思っています(必要になってくる,とは思っていますが,実際に行われるかどうかは,僕個人ではどうしようもコントロールできないところが悩ましいところ).

・・・今年度の遠隔授業については,個人的な観点から考察してもまだまだ言えることがあるのですが,流石にかなりの文章量となってきたので(^o^;; 来年に向けて,については,別なエントリに分割して(近日!?)改めてアップしようと思います.

2020/12/24

2020年を振り返って その1

言うまでもなく,これまでとは全く異なる1年となった2020年.
簡単に振り返るのは難しそうなので,まだ何から書くか決めていませんが(笑),タイトルには”その1”と付けさせてもらいました(その1で終わる可能性もありますが).

あちらもこちらも例年とはガラッと状況が変わってしまったわけですが,個人的に良くも悪くも大きかった研究面の話から先にしようかと思います.

まず,年度末でもある3月.
例年だと,いわゆる全国大会や研究会などで出張がかなりの数入るわけですが,この3月は軒並みほとんど中止.この状況は,東日本大震災があった2011年に通じます(特に,震災は3月11日に起こったので,まさにその翌日に会場に出発,なんて言う学会もありましたが,結果として全て中止になりました).
今回,9年前と異なったのは一点.かなり突発的な状況であったとはいえ,震災よりは検討の余地があったと言うことなのでしょう.一部の学会,ないしは学会の一部セッションは”オンライン”での開催を選択し,僕やうちの学生さん何名かは,オンラインでの発表が実施できました.

情報処理学会全国大会は全てオンラインに切り替え,電子情報通信学会総合大会は一部オンラインに切り替えたことで,国際交流で訪れていたフィンランド学生のNiko君や,大学編入学が決まっていた学生さんも発表ができました.

今となっては,むしろオンライン開催が当たり前となっていて,国際会議の場合は”現地で発表/オンライン発表”が選べるような学会も普通となりつつあります.
それはそれで便利だし,現地に行く必要がないことのメリットもあるのですが,デメリットとしては,現在のオンライン発表環境では,実際に人前で話すのと比較して(悪い意味で)緊張感を感じずに出来てしまう点があります.これはある意味メリットでもあり,例えば初めて学会発表すると言う学生にとってのハードルは下がるかもしれませんが,例えば,

  • 発表内容をちゃんと覚えておらず,カンニングペーパーを見ながら発表してもバレない
  • 質疑応答に緊迫感がない/質問自体がでづらい
  • 接続状況,オンラインの発表環境のため,発表内容が伝わりづらい
といったところも気になります.
いずれ,オフラインでの発表と変わらない臨場感で違和感なく発表できる環境が実現できるようになるかもしれませんが,現状では如何せん,やはりリアルワールドでの発表とは差があります.せっかく発表するのであれば,可能な限り色々な経験を学生にはして欲しいと思うものの,現在ではなかなか難しいというのが,残念でもあり悩ましくもあります.

一方,中々簡単に行けないような場所での国際会議であっても,オンラインなら参加可能というのはメリットなのかもしれません(個人的にはやはり,現地に行きたいですが・・・).

上記に関連して,今年度変わったことといえば,論文執筆頻度はここ最近では一番高かったことでしょうか.学会発表の準備にかかる負担が減り,出張のための準備や,そもそも出張しないので旅費が浮いたこともあり,結果としてできた時間的経済的余裕を活用して,論文は結構書けた感があります.
学会で,オフラインで他の研究者と会って話すメリットは捨てがたいですが,論文もコンスタントに発表したいと考える身としては,今年度は”怪我の功名”ですが,国際会議での発表論文も含めて,実際,ここ最近の中では最も多く論文をpublishできました.

一本は,専攻科生がメインとなって執筆した英文論文誌に掲載されたもの:
「A Study on Intelligent Dialogue Agent for Older Adults’ Preventive Care – Towards Development of a Comprehensive Preventive Care System」(フリーでダウンロードできます)

もう一本は,学会誌から寄稿依頼をいただき執筆したもの.
加えて,自分が発表した国際会議1本に学生が発表した国際会議(最優秀プレゼンテーション賞授業).さらに(現在投稿中ですが)年明けになりますがもう一方国際会議発表がある予定です.

多忙を理由にしてはいけないんでしょうが,ここ最近は”数年に1本”くらいが精一杯だった学術雑誌掲載の論文が今年だけで2本掲載されたのが,やっぱり大きいと思います.これも,1本目の第一著者である専攻科生がこれまたコロナの影響で海外インターンシップに行くことができなくなった分の時間的余裕があったことで作業が進められた面があると個人的には思っています.

色々と不自由を強いられたこの1年でしたし,論文がたくさん出たから結果よかった,とは単純に言えない1年ではありましたが,不自由ながらやるべきこと,できることは最低限,研究面ではできた1年と,ある意味では言えるかと思っています.

2020/11/12

後期が始まりました

今年度は色々とイレギュラーな状況の中,ほど前に後期が始まりました.

イレギュラーなことが多く,例年以上に多忙な日が多いですが,そうこうしているうちに今年ももう後2ヶ月ない、というのが信じられない(苦笑).

2ヶ月の休業から始まり,在宅勤務や遠隔授業を経験し,当初より制約は緩和されているものの引き続き国内外への出張は難しい状況のため,当初出張して参加予定であった国内外の学会・研究会も軒並み”オンライン開催”となりました(年度末の学会はおおよそ全て中止でしたが,最近はオンライン開催とするのがスタンダードになりつつあります).

出張による移動がないぶん効率が良さそう,と思うかもしれませんが,関連分野の研究者と直接(オフラインで)議論する機会がないというのは,結構なストレスであることを今回再確認できました(率直に申し上げて,国内外を飛び回ることも,誤解を恐れずに言えばちょうど良い”気分転換”となっていたようで,出張できないストレスもかなりのものとなっています).
ただ,幸か不幸かその影響があるのか,今年度は例年に加えて(オンラインなのに)学会参加や論文執筆の頻度が多いような気がします.

今年度に入ってすぐ,(オンラインですが)実は初めて人工知能学会全国大会に(学生が)参加することとなり、本当は熊本に行く予定でした・・・
その後,本当は”八丈島”で開催される予定だった国際会議(SCIS&ISIS2020)に論文投稿し,続いて僕の第二の故郷である台湾で開催される国際会議(ISET2020)のOrganizing Comittee memberも仰せつかり、日本の友人に論文執筆をお勧めしつつOB学生にも論文を投稿してもらい,そんな間をぬって日本高専学会誌に論文を寄稿したり,そんな中で学生の論文が英文論文誌(ASTESJ)に掲載決定したりと,現時点で既に例年よりかなり濃度の濃い発表・出版スケジュールとなっているような・・・

上にあげたISET2020のオンライン発表は今週日曜日(11/15),さらに奇遇なことに(苦笑)12月5日から開催されるのでまだちょっと時間の余裕があると思っていたSCIS&ISIS2020の”発表動画提出”の締切日がバッティングするというこれまたなかなかハードな日程になっています.
卒研や特研に取り組む研究室の学生のみなさんも、例年と異なりなかなか対面でのミーティングや,連携先の学外企業・組織との打ち合わせもスムーズに進められない中,研究自体は比較的大きな問題なく進めてられている感覚がありますので,年度内にあと数件は学会発表の予定が入ってきそうな気がします(というか、発表して欲しいです,是非).

来年度になったからと言って,急激に状況が好転するとは考えられませんが,少なくとも今年は,研究の面では”進んだ年だった”という記憶として残しておきたいなと考えています.



2020/07/24

新年度が始まり2ヶ月?

約1ヶ月ぶりの投稿です.
東京高専に限らず,全国の学生の皆さんもかなり想定外,かつ大変な状況かと思いますが,例に漏れず我々教員も猛烈に多忙です(苦笑).

単純に,感染防止対策を施しての対面授業であったり,遠隔授業の準備であったり,タイトルに書いた通り,そろそろ8月になるというのに実質新年度が始まってから2ヶ月しか経っていない状況への対応であったりと,やることが盛り沢山であることはもちろん,我々のもう一つの仕事(という表現で良いのか?)である研究も進めなければいけない,ということで,かなり,いや,全く時間が足りていません・・・

これも止むを得ないのですが,昨年度末から現在,および少なくともあとしばらくの将来に渡り,出張は軒並みキャンセル,学会・研究会も軒並み中止 or オンライン開催となり,実はこっちのダメージの方が大きいかもしれません.
誤解を恐れずに申し上げれば,出張で国内外の色々なところを訪れることができるのは,個人的にはかなりのリフレッシュになっていた,ということが,皮肉なことにこの数ヶ月,あらゆる遠出がキャンセルになって再認識されたという次第です.
特に,”行く予定だった諸々が全部キャンセル”というのは,かなりダメージが大きかったですね.

そんな中,この年末はもしかすると,(個人的には)かなり久しぶりに海外に行けるかもしれない,ということでちょっと気合が入っています.
ただ,気合いは入っているんですが,体力と気力と時間と発表のネタがついて来ない状況になりつつあるのが悩ましいところ.いくつかのチャンスのうち,一つはなんとかしようと思っているのですが,残りについては,様々な事情が絡み合ってどうにもならない(=現地に行けない)可能性があって,現在,”そこをなんとか”したいとは思ってジタバタしているというのがまさに今(^o^;;

ただ,皆さんもご存知の通り,外にばかり目を向けていられる状況ではないというのが,まさに今の状況かとも思います.幸い,今のところは(体調はと言われればイマイチですが)僕も家族も,学生の皆さんも教職員も大きな問題なくここまで来れていますが,このあとどうなるかは誰にもわかりません.それぞれがそれぞれのできることをできる範囲で頑張っていくしかありませんね.
コロナに気を取られて別な病気で倒れるのも,それこそ”本末転倒”ですから,無理のない範囲でお互い,頑張っていきたいところ.

2020/06/28

対面授業が始まり3週間

少々のご無沙汰です.

タイトルの通り,6/8から対面授業が始まり,とはいえ1週間の時間割のうち少なくとも1日,多いところでは2〜3日分は引き続き”遠隔授業の日”となっている東京高専です.

かくいう僕は,どの授業も遠隔授業の日に配置されていないのですが,持病の喘息の咳が悪化し,このご時世で非常に授業がやりづらい(体調的にもそうですし,受講する学生もいい気持ちはしないでしょうし,実際にそう思われていないとしても,こちらはどうしても気になって今いますし)ことに加え,一部学年では結果として遠隔授業が多くなり,前も後ろも遠隔授業なら,いっそのこと自分の授業も遠隔化してしまうか,という勢いで遠隔化した授業もあります.また,体調的な問題と併せて,”密”を避けるという意味合いで,敢えて普段の教室とは違う(より広い)教室を使う関係で”半遠隔化”(対面で授業はしているものの,授業資料は遠隔授業向きのものを使った授業)している科目もあります.

遠隔,いわゆるオンライン授業は,恐らく一周回ってしまえばそれほど大変ではないと思う一方,今年度はかなり必要に迫られて突貫工事的に資料を用意せざるを得ない状況であることに加え,その他の業務が重なってくると,文字通り”自転車操業”状態になっていて,かなり大変だというのが実際なところです.
ただ,やり方自体には慣れてきたし,恐らく学生の皆さんも遠隔授業の受け方を良くも悪くも(!?)把握してきたように思われ,当初ほど,授業を実施すること自体に対するストレスは少なくなってきたように思います.

とはいえ現在,遠隔授業の準備,実施,課題の確認・採点に加え,助成いただいている財団の報告書作成に国際会議論文の執筆(締切まであと2週間ほど,進捗は4割・・・),国内学会誌向けに寄稿する論文の執筆(これは実質進捗0割 ^o^;;;;;;)などなど,やるべきことが目白押しの状況なので,かなり睡眠時間的には圧縮せざるを得ません.
でも,この状況ってコロナに限らず,いろんな病気をもらってしまう状況が整いつつある(苦笑)ことにもなってしまうので,今日はこのあと,ちょっとした確認を済ませたら休んでしまおうと思っています.日付が変わるまでに休めれば,かなり”早寝”だと言えること自体,ちょっとヤバイですね.

今が頑張りどきであるともいえますが,そこで無理をして倒れてしまってもそれはそれで自分も周囲も厄介ですので,その辺りの加減が難しいところです.

国際会議のうち,現在論文執筆中の一本は,既にオンライン開催が決定しています.
正直に言って,オンライン開催になった時点でモチベーションは急激に下がっていますが,だからといって投げ出すわけにも行きませんので,現在,投稿に向けて頑張っています.
一方,もう一つの学会は今のところ現地開催の可能性を残しているとのこと.さらにさらに,学会開催地は我が愛する台湾,ということで,こちらについては現地開催の可能性があるかぎり,何がなんでも投稿したい(いや,上の学会も頑張って論文書いてますよ ^o^;).誤解を恐れずに申し上げるのであれば,上半期頑張ったご褒美が台湾での国際会議発表であるというのであれば,それはもう,これ以上ないご褒美と言っても過言ではないですね.とはいえ,何はともあれ論文を書かないことには始まりませんので,それをモチベーションに,遠隔授業もその他もろもろも,倒れない程度に頑張ります.

2020/04/10

当分の間

東京高専も教職員に出勤を控えるよう手続きを取るよう促しており,実際のところ,小学校が休業となって路頭に迷っている(というほど見た目上は悲壮感のない)1年生と2年生がおりますので,当面は出勤を控える方向で手続きを完了しました.

政府の政策が(良い意味で)バッチリとハマり,東京高専の休業日程が予定通り消化されたとして,5月の連休明けまでは在宅勤務状態となります.会議の類は極力実施しない,もしくはオンラインで実施することとなりそうです.

まぁ実際,今年度の卒業研究,特別研究関連の打ち合わせは既にSkypeを使用して行っていますし(ウチのスタンダードな環境はOffice365ベースなので、次回からはTeamsを試用する予定),社会実装についても,学生全員を集める場合はそれに応じた準備が必要なものの,僕と一緒にプロジェクトに取り組んでいる学生数名と打ち合わせをする程度であれば,もしルール的に可能であったとしても,わざわざ学校まで来てもらうのはナンセンスだと思われますので,こちらもSkypeやTeamsを活用しまくる予定です.

2020/03/21

そういえば,一つ良いニュース

一つ前のエントリで,少々暗め(苦笑)の投稿をしてしまったから,というわけではありませんが,一つ良いニュースがあったことを思い出しました.以下の表彰状がそれなんですが,例のウイルス騒ぎで開催中止となってしまった令和元年度社会実装教育フォーラム.全国の学生が集まってプレゼンし,その内容を踏まえての審査という形態は取ることができなくなったものの,既にポスターなどは提出してもらっていたことから”書類審査”の形式で取組の審査が実施され,その結果めでたく,僕の研究室の学生さんが”社会実装賞”を受賞しました!!

* その他の受賞チームについてはこちらをご参照のこと

今回の受賞,敢えて言わせていただくと,学生には”あまり頑張って資料を作るな”と伝えていました.というか,実のところ例年,このフォーラムに出る学生には同様のアドバイスをしています.
フォーラムのポスター提出のタイミングは,卒業研究の追い込み時期でもあり,そっちは大変だけれどこっちも頑張れ,とはさすがに言えませんし,実際に学生さん自身に頑張るつもりがあったとしても,それこそノロだインフルだ(今年はコロナも)と感染症が目白押しの時期に体力を削って頑張りすぎると,重要な様々のイベントが不完全燃焼,最悪の場合,不本意な結果となる可能性もあるので,敢えて例年そういった”指示”を出しています.

ただ一点,誤解なきように申し添えておくと,資料作りはあまり頑張るな,とは伝えているものの,取組自体のクオリティは当然,(個人的にはほぼ毎年)受賞にふさわしいレベルをキープしていると思っています.
実際今年度は,プロジェクトに携わった2名の学生とも学会で発表していますし,実はもう一人,今年度後半から短期留学でフィンランドからやってきていた学生もこのプロジェクトに参加していました(そういった意味で,実はこのプロジェクトは3名体制のチームで進めていたこととなります).で,実はそのフィンランドの学生さんも学会で発表しているので,当該テーマは3名の学生がそれぞれ携わった各分野で,研究という観点でも”学会発表できる”レベルのものであったということになります.

実は僕は,このフォーラムに第一回から参加している結構レアな教員で(苦笑),記憶が確かならばプロジェクトチームも毎年参加させているハズです.イベントのネーミングは1、2回変わっているように思いますが,前身も含めてウチの研究室の受賞歴は今回が2回目.前回,第1回か第2回目で企業賞を受賞して以来の快挙だったかと思います.
前回受賞時は介護予防システム関連での受賞で,今回は別テーマ(それも今年度立ち上げたばかりのテーマ)で受賞できたことも良かったと思っています.

取組としてはまだ始まったばかりで,連携先とも今後に向けた議論を続けていますので,今後も後輩たちが当該プロジェクトをさらに発展させていってくれることを期待しています.

例年と違う年度末

昨年度の今頃は,1年間の台湾での在外研究期間も残り10日となって,日本に送り返す荷物の発送手続きをしたり,帰国後早々の授業の準備をしたりと慌ただしくしていた一方,精神的にも肉体的にもかなり余裕があったと記憶しています.

一方,今年度末である今現在,もちろん台湾で在外研究中と日本で通常業務中という状況の違いは言わずもがなですが,それに加えて今は“コロナウイルス禍”というネガティブな事態がここしばらくの年度末と比較しても明かな相違を生んでいます.
個人的には,やれることをやるしかないし,その前提で生活をしている分には大きな不便もないんですが,いろいろと自粛ムードが漂って(とくに今回は“お上から正式な要請”があったり)社会全体がどんよりしている感じは、9年前の東日本大震災の時に似ているような(あの当時は実際に物流が滞ったり,今と比較にならない数の人が亡くなったりと,良くも悪くも目に見える形のダメージがありました).


さらに、あの当時はまだいなかった子供が今は二人もいます.そしてそのうちの一人は見事に(!?)小学校休業の煽りを受けて自宅で自習状態に・・・.周りの人の様子を伺うと,友達と遊べない,自由に外に出られないストレスを強く感じている子供たちもいるようですが,今のところ,一見する限りウチのチビたちはそこまでの状況にはなっていないようです.室内に一定数,一定時間以上の滞在はNG,屋外でも一定時間以上,一定の密度以上で滞在するのはNGなのでしょう(じゃないと、いわゆる”花見”を自粛せよ,ということにはならないはず。文字通り、ただ「花を見ながら歩く」のはOKでしょうねきっと).そんな状況で東京高専の卒業式も保護者の参加はNG,娘の小学校の卒業式も同様となる予定で,卒業生の保護者は涙ながらにどうにかならんか?と保護者会で訴えていましたが,恐らく方針はかわらないでしょう.
ですがね,それより何より,通勤のあの電車をどうにかしないことには状況は変わらないように,個人的には思います(結果論になりますが,大規模イベントの自粛や小中高の休業を1ヶ月続けるより,通勤を10日間停止,同時に学校も10日間休校とした方が,後々の人々の健康や経済に与える影響は少なかったんじゃないか,と個人的には思っています.あくまでも”たられば”ですが).

今となっては,年度末キャンセル・延期になった様々なイベントのことを思い返してもしょうがありません.来たる近い and/or ちょっと遠い未来のイベントをどうやったら実施できるか,どうやったら様々な環境をより良い方向に持っていけるかを考えるしかないですね.
職業柄,という面もあり,オカルト的なものを信じませんが,ある種の言霊的なものは,科学的にも根拠があると思っています.ネガティブな発言をしたりやる気の出ないポーズをとることで,自らに暗示をかけてしまったり,交感・副交感神経のバランスが悪くなって,結果として心身にさらなる負担がかかってしまうような.
そういった”ネガティブスパイラル”には絶対に陥らず,心身ともに健全な状況を自分だけではなく周囲にも波及させた一ところ.

某都内(というにはインパクトのある場所ですが)で開催される国際会議への参加も決まりそうですし,年度末に行けなかった台湾にも,なんとか夏休みには行きたい.初冬に開催予定の同じく台湾での国際会議は,主催が在外でお世話になった大学なので,これまたなんとしても行きたいと思っています.
これら,ほぼほぼ自分ではコントロールできない諸々の影響に左右されるので,行けたらラッキーダメならしゃーないという心持ちで,目の前のタスクを一つずつ潰していこうと.

2020/02/14

2月18日13:00からです!!

さて,前回アップしたのが元旦ですから,早くも2ヶ月半も経ってしまいました・・・その間,子供がインフルになり,その後自分もインフルになり(仕事始めの日から1週間お休みとなり),そうこうしているうちにあっという間に(苦笑)学年末試験・・・も昨日終了しましたね(^o^;;

来週の火曜水曜,2日間の試験返却期間が終了すると,一部の学生を除けば多くの人は春休みに突入するかと思いますが,その前に一つ,是非学生の皆さんに紹介したいイベントがあります.

僕が昨年度1年間台湾で在外研究していたことは知っている人も少なからずいるかと思いますが,その際,滞在していた大学の次によく訪問していたのが,”曁南國際大學(National Chi Nan University)”です.日本語読みだと「きなん(こくさい)だいがく」ですね.向こうの学生さん相手に講演をしたり,学生交流の話をしたりしてきた訳ですが,そのような繋がりがあり,曁南大學は今年度から,”海外インターンシップ”の受け入れ先にもなっています(実際今年度はASとAEから1名ずつ,学生が実習に行っています).

そんなこんなで,現在本校と曁南國際大學は学生交流をスタートしている状況ですが,今回は学生のみならず教員も交流しよう,という取組の第一弾として,今年度AEの学生さんをインターンで受け入れていただいた,Department of Electrical Engineering (電機工程學系)の許 孟烈(Sheu, Meng-Lieh)先生にお越しいただいて,講演を行っていただきます.

誤解を恐れずに言うならば,当日の話は(恐らく)堅苦しい(!?)研究の話ばかりとはならないことを予想しています.何故なら,講演をお願いした僕が,

”先生には研究の話はもちろんのこと,曁南大學の話,台湾の話,台湾での学生への英語教育の話など,色々盛り込んでいただけると嬉しいです”

とお願いしているからです(笑).とは言え,先生の専門は半導体ですので,お世話になった専攻科生が所属するAE,および電気・電子系の学生が興味を持つ内容は含まれているでしょうし,来年度専攻科に進学して海外インターンを検討している学生,卒業後の進路として専攻科を検討している5年生,単に海外(留学)や台湾に興味がある学生,英語に興味がる学生,などなど,多くの学生に興味を持ってもらえる内容であると思っています.


試験返却が終わらない時間帯から始まるので,一部学生は頭からの参加が難しいかもしれませんが,途中からでも是非きてもらえればと思います.
また,学生学生と書いていますが,教員・職員の皆さんにもお越しいただければ嬉しいです.

僕が在外研究先として台湾を選んだ最も大きな理由が,台湾という国と,台湾の人が好きだからです.そして,この感覚は恐らく,多くの人にも共感してもらえるのではないかと考えています.その一端でも,この講演を通して多くの人に感じてもらえればいいなと思っている次第です.

2020/01/01

明けましておめでとうございます 2020

明けましておめでとうございます.

昨年は,というか厳密には”今年度これまで”は,体感的にも,恐らく実際にも過去最大に忙しい期間であったという実感があります.
現在このエントリを書くにあたって昨年一発目の書き込みを読み返しているのですが,まぁー呑気な内容です(苦笑).

今年はある意味ありがたいことに,僕がお勧めしたということも一因としてはあるものの,年度末の学会発表準備を進めている学生が多く(数え間違いしていなければ,恐らく
”のべ5名+フィンランドの留学生1名”),それらのアブスト and/or 本体の締切が年明け早々にあるため,ある意味昨年と同様に”あまり正月気分のしない正月”を送っています.
明後日3日には出かける予定ですが,何だかチビの体調が悪く,回復しなければキャンセルかしら,という状況です.

さて,新年ですので今年1年の抱負でも述べたいところですが,冒頭に記載の通り,これまでがあまりにハードで,目標らしい目標として,具体的なものが掲げづらいというのが正直なところです.
ただ,敢えて一つ挙げるとするならば,家族全員が元気で,大禍なく過ごせることが一番.これが達成できたら十分だと思っています.
@dkitakosi からのツイート