2020/12/24

2020年を振り返って その1

言うまでもなく,これまでとは全く異なる1年となった2020年.
簡単に振り返るのは難しそうなので,まだ何から書くか決めていませんが(笑),タイトルには”その1”と付けさせてもらいました(その1で終わる可能性もありますが).

あちらもこちらも例年とはガラッと状況が変わってしまったわけですが,個人的に良くも悪くも大きかった研究面の話から先にしようかと思います.

まず,年度末でもある3月.
例年だと,いわゆる全国大会や研究会などで出張がかなりの数入るわけですが,この3月は軒並みほとんど中止.この状況は,東日本大震災があった2011年に通じます(特に,震災は3月11日に起こったので,まさにその翌日に会場に出発,なんて言う学会もありましたが,結果として全て中止になりました).
今回,9年前と異なったのは一点.かなり突発的な状況であったとはいえ,震災よりは検討の余地があったと言うことなのでしょう.一部の学会,ないしは学会の一部セッションは”オンライン”での開催を選択し,僕やうちの学生さん何名かは,オンラインでの発表が実施できました.

情報処理学会全国大会は全てオンラインに切り替え,電子情報通信学会総合大会は一部オンラインに切り替えたことで,国際交流で訪れていたフィンランド学生のNiko君や,大学編入学が決まっていた学生さんも発表ができました.

今となっては,むしろオンライン開催が当たり前となっていて,国際会議の場合は”現地で発表/オンライン発表”が選べるような学会も普通となりつつあります.
それはそれで便利だし,現地に行く必要がないことのメリットもあるのですが,デメリットとしては,現在のオンライン発表環境では,実際に人前で話すのと比較して(悪い意味で)緊張感を感じずに出来てしまう点があります.これはある意味メリットでもあり,例えば初めて学会発表すると言う学生にとってのハードルは下がるかもしれませんが,例えば,

  • 発表内容をちゃんと覚えておらず,カンニングペーパーを見ながら発表してもバレない
  • 質疑応答に緊迫感がない/質問自体がでづらい
  • 接続状況,オンラインの発表環境のため,発表内容が伝わりづらい
といったところも気になります.
いずれ,オフラインでの発表と変わらない臨場感で違和感なく発表できる環境が実現できるようになるかもしれませんが,現状では如何せん,やはりリアルワールドでの発表とは差があります.せっかく発表するのであれば,可能な限り色々な経験を学生にはして欲しいと思うものの,現在ではなかなか難しいというのが,残念でもあり悩ましくもあります.

一方,中々簡単に行けないような場所での国際会議であっても,オンラインなら参加可能というのはメリットなのかもしれません(個人的にはやはり,現地に行きたいですが・・・).

上記に関連して,今年度変わったことといえば,論文執筆頻度はここ最近では一番高かったことでしょうか.学会発表の準備にかかる負担が減り,出張のための準備や,そもそも出張しないので旅費が浮いたこともあり,結果としてできた時間的経済的余裕を活用して,論文は結構書けた感があります.
学会で,オフラインで他の研究者と会って話すメリットは捨てがたいですが,論文もコンスタントに発表したいと考える身としては,今年度は”怪我の功名”ですが,国際会議での発表論文も含めて,実際,ここ最近の中では最も多く論文をpublishできました.

一本は,専攻科生がメインとなって執筆した英文論文誌に掲載されたもの:
「A Study on Intelligent Dialogue Agent for Older Adults’ Preventive Care – Towards Development of a Comprehensive Preventive Care System」(フリーでダウンロードできます)

もう一本は,学会誌から寄稿依頼をいただき執筆したもの.
加えて,自分が発表した国際会議1本に学生が発表した国際会議(最優秀プレゼンテーション賞授業).さらに(現在投稿中ですが)年明けになりますがもう一方国際会議発表がある予定です.

多忙を理由にしてはいけないんでしょうが,ここ最近は”数年に1本”くらいが精一杯だった学術雑誌掲載の論文が今年だけで2本掲載されたのが,やっぱり大きいと思います.これも,1本目の第一著者である専攻科生がこれまたコロナの影響で海外インターンシップに行くことができなくなった分の時間的余裕があったことで作業が進められた面があると個人的には思っています.

色々と不自由を強いられたこの1年でしたし,論文がたくさん出たから結果よかった,とは単純に言えない1年ではありましたが,不自由ながらやるべきこと,できることは最低限,研究面ではできた1年と,ある意味では言えるかと思っています.

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