2019/02/05

久しぶりの感覚

Twitterやfbではお知らせしたので知っている人もいるかと思いますが,この度


に申請した研究課題が採択されました.
それ(=研究助成)って何?という人もいるかと思うので,少し詳しく説明します.

高専の学生なら知っている(ハズ)と思いますが,高専の教員は研究を(も)します.それは知っているかと思いますが,研究のためのお金(経費)は”ある程度”,所属している機関(僕なら東京高専)からいただいています.これはいわゆる研究教育(教育研究)機関,例えば大学などでも同様ですが,特にこれらの機関が独立行政法人化してからは,国から各機関に配分される予算が年々減っているので,各教員に割り当てられる研究経費も減ってきているのは,どこでもだいたい同じ状況です(ちなみに僕の場合,最初に大学で勤めた年が独法化元年なので,それ以前がどれほど良かった(?)のかはわかっていません).

それでもやっぱり,(多くの)教員は自身の研究をしたい.でも,研究をするには時間も必要だし,(分野やテーマにもよるんですが)お金も必要,となった場合,お金の面に関していうと,様々な機関・組織が研究者やそのグループ,場合によっては研究機関に対して,”競争を勝ち抜いたら(審査に通ったら)あげます”というお金を用意してくれています.これがいわゆる「競争的研究資金」と呼ばれるものです.
これらは名前の通り”競争的”な資金ですので,ある種の審査があって,募集しているテーマに合っているか,研究計画は現実的(実現可能性がある)か,達成することで社会的・学術的に価値があるか,などなどの基準をクリアしないと獲得できません.また当然,金額が大きかったり,人気のあるテーマだったりすると応募者も多いので競争倍率も上がります.

競争的研究資金の中でも,おそらく有名なのは,文科省が募集する科学研究費補助金(科研費)というもので,これは応募者も採択者も日本で一番多いと思います.このような政府機関などが募集する資金がある一方で,民間の機関(例えば今回僕が採択いただいたような財団)が募集する資金というものもあります.このような財団は,実は調べればたくさんあるのですが,ある意味,”研究分野の数と同じくらい”(というのは大げさかとは思いますが)色々な分野に特化した資金が募集されています.

今回僕が(と共同研究者の皆さんで)応募した財団は,
「人間と遊び」という視点に立った科学技術に関する調査、研究及び開発の推進
を目的としていて,僕らが最近取り組んでいるテーマにもマッチした内容であったので,幸いなことに採択テーマに選んでもらったというのが実際のところかと思います.

民間,政府機関にかかわらず,この手の資金はもらったらおしまい,ということはありません.何にいくら使ったのか,ということについてはもちろん,研究の成果がどの程度出たか,についても,期間の途中や,助成期間終了後に報告することが求められます.
が,税金であったり,財団の資金をいただいたからには,研究の過程や成果を報告するのは当然でしょうし,個人的にはそういった資金をいただく中で,報告することが普通のこととなっています(倍率が高いほど,不採択になった研究も多いわけで,不採択研究の分も!?真面目にやらなければと思うわけです).

実際,科研費の場合は採択テーマの状況が全てデータベース化されているので,キーワードや研究者名で検索すれば,誰がどんなテーマでいくらもらっていて,(終了後のテーマならば)どんな成果を挙げているかも簡単に検索できます(ちょっと脱線しますが,例えば今後大学編入学や大学院進学を考えている学生の場合,こういったデータベースから希望する大学や教員を探すと言う手もあるかと思います).

ちなみに,僕の研究費獲得状況はHPの
研究業績&外部資金獲得
のページで(最新のものを除いて)公開しています.
そこを見てもらっても分かる通り,民間の財団から助成をいただくのは”12年ぶり”です.本当に久しぶり(笑).
ここ最近も,何年かに1回は申請していたんですが,言い訳させてもらうと,年々応募者が増えるというのが一つ.また,これも当然と言えば当然ですが,関東圏は競争相手が多いので倍率が高い,と言うこともあるかと思います(前回採択の時点では,僕は名古屋の大学に在籍していました).

とにもかくにも,今回このように予算をいただくことができたので,来年度は研究室にいる学生さん,および共同研究者の皆さんと一緒に,是非とも身のある成果を挙げていきたいと考えています(・・・と悠長に書いてはみましたが,実は研究期間は3月からスタートなので,僕は台湾にいながら,早速研究に取り掛かりたいと考えています).

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