2010/06/03

根本は同じ

現在、東京高専は試験期間中ですが、ここぞとばかりに授業のない午後に会議が詰め込まれていて、結局普段以上に忙しいのでは、と言った状況の中でも、読書は細々と(苦笑)続けています。
やっと読了したのが、

プロ技術者になる!エンジニアの勉強法(菊池正典 著)

就職したらみんなプロにはなるわけですが、ここで言う”プロ”とは、ただ言われた仕事を淡々とこなしながら日々無為に過ごすような指示待ちサラリーパーソンではなく、自ら貪欲に知識を収集し、周囲の人と協調しながら積極的に情報発信し、決して専門バカではない自律した”エンジニア”のことを指しているのでしょうね。
研究者も技術者も、(最)先端の技術を常に吸収し、かつ、それを活かしていかなければいけないという意味ではベースは同じ。ただ、知識や技術を吸収する方法には類似した部分もあるものの、やはり「ならでは」のやり方もあるようです。特に、ジェネラリストかスペシャリストか、という問題については「V字型エンジニア」という考えが提示されたり、新しい知識の入手法や英語の勉強法、周囲の同僚や上司、部下との付き合い方まで、非常に幅広く、かつ、最低限抑えておくべきノウハウが詰まっているように思えます。

著者が高等教育・研究機関を経験していたら、もっと包括的な話題も提供できたかもしれませんが、少なからず高専、大学関係者が読んでも、このような技術者を送り出したい、という意味で参考になりますし、学生のみなさんが今後就職するにしても、さらに進学するにしてもやはり参考になる情報が詰め込まれているという点で、読んでおいて損はない本でしょう。

最後に、本書後半には”シーズ志向”、”ニーズ志向”といった用語が紹介されています。これらはマーケティング用語らしいのですが、まさにこれらはそれぞれ、提案型、課題解決型、等という言葉で表現される研究のアプローチに類似するところがあります。本書では新たにウォンツ志向と呼ばれる用語が用いられていますが、これは提案型の発展形ですね。ただ、敢えて新しい用語を用意するほど、エンジニアにとってウォンツ志向は大事なものだということを、筆者は主張したかったのでしょう。

試験期間中にはさすがに無理かと思われますが、試験が終わったら、皆さんには是非読書にも力を入れて欲しいと思います。本を読みましょう。読めば読むほど教養と文章力がつきます。試験の問題分が多少長くても、どこが重要なのか一発で理解できるようになります。

0 件のコメント:

コメントを投稿

@dkitakosi からのツイート