2023/05/02

Village ーある種,最低で最高に刺激的な作品ー

 昨日のスーパーマリオに続き,今日は1人でレイトショーで観てきました.



非常に良い意味で,過去最高に頭を働かせる必要がある作品だったと思います.

ストーリー的には,誤解を恐れずに言えばシンプルなものかもしれません.
過疎の村に金を呼び込むためゴミ処理施設を作ろうとする者,反対する者.出来上がった施設で働く者,働かざるを得ないものの不満を抱き続ける者.自身はこれ以上ないほどに頑張っているのに全く報われない者,本人は全く努力していないのに生まれ and/or 財力でデフォルトで良い立場にいる者,といった,それぞれの差異に応じた”区別,差別”といったものが露骨に描かれています.

実際に現状,ここまでの状況があるとは信じたくないですが,状況としては(世界のどこでも,日本でも)十二分にあり得るでしょう.
そのような過酷な状況の中で,主人公の優(横浜流星)がどのような感情を抱いていたのか,また,どのような感情からその振舞が引き起こされたのか,それぞれのシーンで考えさせられる点が多くありました.

が,問題は(?!)実質一番最後のシーンで,主人公の優が…するところです(これから観たい人もいるでしょつから,伏せておきます).

このシーンは…個人的に非常に悩ましく,かつ素晴らしいシーンだったと率直に思います.
この映画を観た人の感想はさまざまだという評判を聞いていましたが,まさにその通り,結末は視聴者に完全に委ねられていて,かつ,その理由も同じく,観た人の解釈次第だといって良いでしょう.

この考察/評価ができる or 楽しめる/悩める・苦しめる人は,その時点で幸せ(?)です.ぶっちゃけ,自分にとって都合の良い(ハッピーな?)エンディングに持っていくことも可能かもしれません(ストーリー的に厳しいかと思いますが).とは言え,この映画の素晴らしさはまさにこの「余韻」にあると言って過言ではないでしょう.

ここまで,鑑賞者に深く考えさせる作品には中々お目にかかれないという意味で,連休が始まったという多少寝ぼけ気味の感覚が一気に研ぎ澄まされた印象があります.
…なんて無難にまとめていますが,とうの鑑賞者である私自身,結末をどう解釈するか,いまだに考察中(=楽しんでいる最中)です.

最後に,今回,主演の横浜流星さん,じっくり演技を見たのは初めてですが,凄い俳優さんですね.まだ26歳と若手と呼ばれる年代なのかもしれませんが,今後が非常に楽しみな方.そして,なんと言っても一ノ瀬ワタルさんと古田新太さん,西田尚美さんに杉本哲太さん,周りを固める俳優陣,全員”最低で最高”でした.

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