2022/03/02

良い(まともな)文章の書き方

最近,週刊のビジネス誌を読むことがよくあります.以前も紹介したことがあったかと思いますが,今回も自分が勉強する,というよりむしろ,学生の皆さんに紹介したテーマが載っているように思ったので,重要なポイントのおさらい・確認を兼ねて,皆さんに以下の特集を紹介します(既にコンビニなどでは新しい号になってしまっているかと思いますが,多少大きめな書籍であったりAmazonなどのWebサイトであれば,バックナンバーも取扱があると思います.


ついこの前まで(実は現在進行形なのは内緒),本科5年生の卒業論文や専攻科生の特別研究論文といった,比較的長文となる科学技術文書の添削を行なってきましたが,率直に言ってこの手の文書をいきなり上手く書くことは学生でなくとも不可能で,大袈裟でなく“日本語的に意味を理解できて,ストーリーを追うことができる文章”を作ることさえ至難の技であることを,学生の皆さんは理解しているでしょうか?

ただもう一つ,重要な事実があって,どんなに作文が下手な学生でも,練習したらある程度レベルの文章は“絶対に書けるようになる“ということも言えます(これってある意味,何にでも言えることかと思います.いわゆる天才と言える人,センスのあると呼ばれる人でないと超えられない壁というのも感じる一方,逆にどんな人でもトレーニングによってここまでは来られる,というレベルがあって,それは一般的に見てもかなり高いところにあるよ,という話).

学生の皆さんはレポートを書いたり,その他課題で文章を書くこともあったでしょうが,率直にいってそのレベルの文章をちょこちょこ書いている程度では“良い文章を書く技術“は向上しませんし,逆に,このレベルの文章を書いた程度で「自分にはセンスがない」と諦めている人は,諦めのタイミングが早すぎます(上述の通り,センスがあろうがなかろうが,トレーニングすればある程度以上のレベルには到達できます).

紹介した雑誌には様々な非常に興味深い文章術が紹介されているんですが,中でも一番面白かったのが

(藤吉豊,小川真理子 著 日経BP)

という書籍の中から,さらに重要なポイントをピックアップした記事です(上の本,面白そうなので買って読んでみる予定).

トップ40がリストアップされていて,当該書籍の著者自身がその中からいくつかポイントを紹介しているんですが,その中で僕自身も「まさにそれ!」と感じたものを以下に引用してみます.
  • とにかく書く,たくさん書く
文章が上手くなるための近道は、書いた文章を誰かに見せて、「添削してもらうこと」にほかならない。(中略)書いた原稿を先輩に見せるたびに真っ赤に添削されて戻されていた。その繰り返しが書く力の向上につながっていったのだ。
  • 文章はシンプルに
文章のプロは、例外なく「一文を短くする」ことの大切さを説いている。ちなみに私たちが文字数の平均を取ったところ、一文の長さは、「60字以内」が好ましいことが分かった。
特に1点目については,僕自身がそうされてきたし今現在もやっていることです.ここで挫けたり,再び「自分にはセンスがない」と簡単に諦めてしまうと,上達のチャンスはありません.加えて,特に最近よく感じることですが,添削を繰り返して改善を繰り返すことで上達するのが文章術であるのに,そもそも“第一版の提出が遅すぎる“が故,改善の時間がない(=駄文のまま or 改善の余地が大量に残ったまま)締切が来てしまうことが非常に多いことの勿体なさ・・・
2点目については実の所,僕自身反省すべきところでもあり,どうしても一文が長くなりがちなので,もう少し簡潔な文章を書きたいと日々考えているため,印象に残りました.いわゆる論文のような文章の場合,必ずしも短い=正義ではないことも多いのですが,論文を書く際の癖のようなものがそのまま一般的な文章にも影響してしまい,あれもこれも長めの文章になっているような感覚があり,対象によって文体を自在に切り替えられる能力を身につけられたらなぁ,と僕自身考えています.

当該号にはその他,
  • プレゼン資料を作る際の文章術
  • メールを書く際の文章術
  • 英文メールの場合の文章術
  • チャットでの文章術
など,まさに今必要な文章術のエッセンスが紹介されているので,これってビジネス誌だけれど,ぜひ学生の皆さんにもせめて,この特集のページだけでも読んでもらえればなぁ,と思って紹介した次第です.

とはいえ,前半の話に戻りますが,文章は誰でもトレーニングさえすればそれなりのレベルに到達できますが,トレーニングしない限りは絶対自然にそこへ辿り着くことはない一方,やり始めればやっただけ(少しずつではありますが)必ず向上していきますので,学会発表の際や論文執筆の際に苦労や後悔をしないよう,作文技術を上達させたいと思う人は,今からでも,継続的に取り組みを始めることを強くお勧めします. 

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