2011/04/26

ちょっとほっとした

今日は,皆さんにはあまり(直接的には)関係の無い話かもしれませんが・・・


 某研究費の申請条件が改定になったとのうわさがあったので,念のため確認して見たのですが,やはり噂の通り,受給制限が厳しくなっていました.具体的には,当該枠での申請は当初,ある特定の年齢まで可能だったところ,改定の結果,2回以上は受給できなくなったというもの.

 僕は既に当該申請で2回研究費をゲットしているので,年齢的にはまだ申請可能なものの回数制限に引っ掛かるか・・・と思っていたのですが,急な改定のための経過措置として,来年度公募までは,これまでの受給回数に関わらず”あと一回”は受けることが可能とのこと.
 もちろん申請というからには審査がありますので,審査に落ちたらいただけないわけですが,少なくともあと一回分はいただくことができるチャンスがあるということで,ほっとしたやら嬉しいやら,という心境です.

 学科や研究分野にもよりますが,どんなに物品を使わない分野であっても,それなりに研究費用はかかるもの.もちろん,個々の機関には研究に関連して個人に割り当てられた予算がありますが,頑張れば頑張るほど費用も足りなくなります.そういう訳で,上記のような「競争的研究資金」に対して,自分の研究目的や計画,得られるであろう成果等を記述した申請書を提出し,資金提供に値するとみなされたテーマに予算が割り当てられるわけです.

 僕は良く,研究をして成果が出たら公表する(学会や研究会,論文誌などで)のが当たり前,と話していますが,科学技術立国,というのも怪しくなってきたこの国で,科学技術の進歩は国の存亡にかかわると言っても過言でない重要課題であるとともに,貴重な予算を頂いて得られた研究成果は,発表して共有してこそ更なる発展が見込めると思うからです(まぁ,残念ながら,発表できるところまで研究が進まなかった,という場合はやむを得ませんが・・・その場合は,別の問題が発生してきますね).上記のような競争的資金に関わらず,学校に割り当てられた予算についても同様ですね.

 予算がつけばその分,充実した研究環境で,不自由なく研究ができるというメリットがあります.そして,そのような環境で研究をする分,しっかり頑張って成果をあげたいとも思うわけです.長く研究しなければ成果がでないものの,少しずつでも進めていくことが重要な基礎研究の分野もあります.我々も,せっかくの予算を無駄にしないよう,少しずつでも着実に成果を積み上げていきたいものです.

2011/04/19

終わりよし、かな?

twitterからでも良かったのですが、こちらにアップすると言ったのでこちらにアップしておきます。

結論から書きますと、結局、予想通り見つかりました。で、(実はつい先ほど、某授業でこの話をした際にはここまでの話はしていませんでしたが)さっき家からの連絡で、無事自宅に到着したところまでは確認しました。

大体こんなところかと思っていましたが、唯一想定外だったことと言えば、中継都市まで行った時点で迷子になっていると思われた我が荷物が、実は”花の都”で僕より一日長い滞在をしていたということくらいでしょうか。あとは中身を確認して、損傷等がなければ、僕の「遠足」も終わりです。

ちなみに、前回エントリで、過去にも荷物をなくしたことがある、と書いた時にはベルギーへ行っていました。オランダ・アムステルダム空港での乗り継ぎでしたが、この二つの都市は非常に近く、便の乗り換え時間も非常に短い(確か、乗り換えまでの時間が1時間程度しかなく、飛行自体も”飛んびたったと思ったら着陸態勢”の45分程度)状況で、荷物を全て次の便へ運び出す時間的余裕が(今から思えば)全くなかったのですね。そのため、これまた今となっては良く分かるのですが、その便は(多分)毎度、荷物は次の便で届くという暗黙のシステムになっていたようです、が、そんなことを知らない僕は大慌て、という話なのですが、翌日、念のため空港に立ち寄ってみたら当たり前のように荷物は届いていた、というオチです。

このような状況を知っていたらあんなに焦ることもなかったのに、とも思いますが、基本的に海外の空港スタッフが自分たちからこの辺りの事情を親切に話してくることは120%ありません(本当に必要な情報でさえ、2回、3回と聞かないと教えてもらえないのですからね)。この辺りの経験を複数回していると、だんだん、少々のことでは動じなくもなってきますし、そもそも、なくして困るような大事なものは預けない、そもそもそんなものは持っていかない、無くなっても現地で調達できるからいいや、くらいの心づもりになります。ここまでくればベテラン、とまでは言わないものの、少なくともツアーではない旅行(一人旅含む)で困ることはないでしょうし、困ったとしても、自分で打開する力は身についていると考えて良いと思います。

ちなみに、万が一中の荷物に損失があったとしても、航空会社に補償を求めることもできますし、僕の持っているクレジットカード付帯の損害保険で十分賄える金額です。ただし、お土産物がダメになる、という可能性はあります(自分のために買ったお土産がダメージを受けていたら、思い出と言う意味では少し痛いかもしれませんが、それ自体が一つ話のネタになると思えば、それはそれで良いかとも思います)。

2011/04/17

終わりよければ、とも言いますので

先週日曜日からのフランス出張,今朝日本に戻ってきましたが・・・

今回は行きの便から波乱含みでした.節電の影響等で電車が止まってしまって飛行機に乗れない,となったら笑えないので,成田空港近くのホテルに前泊し,これで余裕の出発と,当日も余裕を持って空港へ到着したものの,着いたら”Canceled”の文字が.

海外航空会社で乗り継ぎ便を使いフランス入りする予定だったのですが,今回の地震(もっと厳密に言えば原発)の影響でスタッフが揃わず,そもそも欧州某所まで飛ぶその航空機自体が到着していないとのこと.すごい話ではあるけれど,今回,そっち方面でトラブルが発生するとは想像していませんでした.ただ,海外へ行くとなった場合,行き帰りを含めてこの手のトラブルは良く経験しているので,取り急ぎ状況を確認の上,対応を見守っていたところ,別会社の直行便に振り替えてくれるということで,むしろ快適になったという意味で”怪我の功名”でした.

はっきり言って今回は,出張の内容よりも行き帰りの話の方が濃厚なので(苦笑),内容については,もし聞きたい人がいたら後日また改めてアップします・・・(希望者はコメントなり,メールなりでリクエストを.なければそのままスルーします),ということで続きを.

行きが上のような状況でしたので,今回は久しぶりに,さらにまじめにリコンファーム(昔は,海外から戻る便の予約がちゃんととれているか,飛行機がちゃんと飛ぶかを確認すべしというのが常識だったようです・・・数年前までは慣習的にやっていましたが,今はほとんどの会社で不要とされています)しておこうと思い,帰還前日に航空会社(上の会社と同じところ)に連絡した結果,問題なく飛ぶ予定とのこと.
一安心したものの,実際に空港まで行って,飛行機に乗るまでは完全には安心できないということで,これまた結構早めに空港へ.パリの空港(シャルル・ド・ゴール)は,セキュリティチェックがかなり厳しく時間がかかったものの,無事に早めに通り抜け,あとは航空機へ乗り込むのをのんびり待とうかという状況になりました.

ただ,行きがあんな状況だったことに加え,チェックイン時のスタッフ対応でもちょっと不安がありました.というのは,帰りの便も行きと同様、同じ都市まで飛び,その後東京行きの便へ乗り継ぐことになっていたのですが,航空券がその中継都市分までしかもらえなかったのです.過去の経験上,このようなことも”アリ”ではあるのですが,「前科」のある航空会社ということで,何とかしてちゃんと帰れることを確認できたら安心なのに,ということで,リコンファームした当該企業日本支店に連絡したところ,土曜日なのでやっていないとのメッセージが.
フランスでの連絡先も分からず,どうしようかと思っていたところ目に入ったのが,WIFI15分無料のメッセージ.フランスは日本よりもこの手のインフラが発達していて,最初の15分はクレジットカード登録等せずに使えるとのこと.状況を調べるならそれだけで十分ということで,iPadを利用して運行状況を確認したところ,見事に再び”Canceled”・・・加えて,行きより面倒な状況として,中継都市までのフライトはあって,その先がキャンセルという罠.

(実は上から次の行に行くまでの間にもひと悶着あったのですが,さすがに省略)

待合い室にやってきた航空会社のスタッフに問い合わせたら,そんなことはない,中継都市から東京までのチケットは中継都市のデスクで出る,との回答があったものの,「んなこと言ったって,あんたんとこのHPにキャンセルって出てるんだよ?」と再度(英語で)食い下がったところ,やっとまじめに調査する気になったらしく,そこでやっと「あらほんとにキャンセルになってるわ」という,何とも呑気な状況に.これ,もしちゃんと調べてもらわずに中継都市まで行っていたら,確実に僕はこの時間にこのブログを書いてないですね(というか,場合によっては1,2日帰国が遅れた可能性も).

ただ,既に中継都市分までは航空機をもらっているし,手荷物も預けている状況.もう一度よく確認したところ,チケットはパリから中継都市までのものを,パリから成田への便へ変更する(粋とは別会社とは言え,行きと同様直行便に),荷物は,今乗り込んでいる機体から直行便の別会社フライトの便へ”我々(=航空会社)が載せ替える”とのことだったので,荷物の件を念押しした上で変更手続きをした上で,新しいチケット発券,(会社が変わったため)ターミナルの移動,再度のセキュリティチェックを受けて何とか飛び立つことに.便を変更する必要性が判明したのが,当初搭乗予定便の出発2時間前,交渉の末フライト変更手続きを開始したのが1時間前,その後,変更後の直行便へ乗り込むための諸々の準備が整ったのが,変更便搭乗の1時間前という(国際線としては)かなりの危うさ.

(ちなみにこの時,僕の他にも全く同じフライトで帰国予定の日本の方が3名いて,彼らの手続きも僕がまとめてやらせてもらいました.うちおひとりは僕と全く同じフライトで,残りのお二人もそこから半日以内の便で帰国できているハズです.とりあえず,帰国だけは・・・)

さて,そんな状況で今回も乗り継ぎ便から直行便となり,移動は楽になりました.当初載る便より2時間出発が遅れたものの,結局,乗り継いだ場合よりも2時間程度早く到着できました.
あとは荷物を受け取るだけ・・・という状況で,既に予想されているかと思いますが,僕と,僕と一緒に乗り込んだ方の荷物が出てきません.
係の人に事情を話して調べてもらっても,そもそも当初フライトから,荷物が変更後のフライト便に移ったという情報自体が登録されていないとのこと.つまり,(多分)荷物だけは当初フライト便で中継都市まで行き,そこにはいない持ち主を待っている(という可能性が高い)と.

これも,実は海外ではまぁまぁあることだったりします(僕も実際に過去一回経験しています)が,これだけ航空会社に念を押しておいて,かつ彼ら自身,荷物は我々が変更後の便へ運ぶと言った上でのロストにはさすがにあきれました.実際,ロストバゲッジに対する責任は変更後のフライトを担当した会社が担うことになるそうですが,どう考えても今回の一番の責任は当初フライトを突如キャンセルした企業にあるとしか思えません.そもそも,前日の確認段階では大丈夫と言っていたものが,その後24時間以内にキャンセルとなっているわけです.加えて,行きの便も同様の理由でキャンセルになっていて,その時点で聞いた話では,この状況はさらにその4,5日前から続いているとのことでした.このような状況で何故,飛ぶと言っていたものが飛ばなくなったのか,そもそも,そのような状況で何故,飛ぶとアナウンスしていたのか?

・・・等といろいろ考えてもしょうがなく(苦笑),本当に海外に行くとこういうことは少なからずあります.まぁ、良くも悪くも日本人はしっかりしているので,この手のミスはまずないですし,無いように努めますし,例えあってもすぐに適切に対応してもらえるのが普通です.一方,(大げさではなく)海外では,というか日本以外の国では,物事全般がかなりアバウトです.ただし,致命的な状況になる可能性もあり得るのでしょうが,大体,こちらがするべき作業,言うべき発言をしっかりしていると,最終的には収まるところに収まるのも確かです.
実は今回も,まだ油断してはいけませんが,多分荷物もちゃんと戻ってくるのではないだろうか,と思っています(ケースの車輪一つくらいは取れているかもしれませんが).ただし,冒頭のタイトルにも書いた通り,終わりよければなんとやら,の,”終わり”の部分が未だ”良しではない”ので,家に帰っているのに遠足が終わっていない”ような変な感じです.
取り急ぎ,荷物が(ある程度)無事に戻ってきたら,またこちらにアップします.

今回のエントリを見て,やっぱり海外は怖いな,と思う人もいるかもしれませんが,何回かこのような経験をすると,ある意味これらを楽しめるようになってきますし,日本国内でも,もしくは,大きなイベント,大事なイベントでも,ちょっとしたことでは動じなくなってきます.
とはいえ,最初からこのような”刺激的な”経験をするのはちょっと,という人は,観光目的で,ツアーで海外旅行に行ってみるのも良いかもしれませんね.ツアーだと,危ないところは事前に旅行会社が避けるでしょうし,タイムマネジメントも添乗員任せ,自由時間を除けば,次に行く場所も決まっているので安心でしょうから.

ただし,「良いかもしれない」という表現としたのは,実はかくいうこの僕が,ツアーでの(海外)旅行というものを経験したことが無いからです.より厳密にいうと,経験したこともないですし,したいともあまり思っていません.上に書いたような理由を逆説的に取ると,おおよそ次に起こることが想定されてしまうため,面白みに欠けるのではないか,と思ってしまうのです.自分で全てをセッティングし,そこで出会うイベントや事件,人とのふれあいが楽しいと思える人であれば,しっかりとした安全管理と準備を整えた上で,いきなりツアーではない旅,というのもアリだと思います(ちなみに,研究等が目的での海外旅行の場合,基本的には必ず教員が一緒です.どうしても一人で行きたいと本人が言い,かつ,教員がそれでもこの学生なら大丈夫だろう,と思った場合にはアリでしょうが,まずはあり得ない状況でしょう).

早ければ今日明日で,荷物を追跡調査している航空会社から連絡があるハズです.無かった場合には次の手を考えます.
帰国直後にかなり長文のエントリとなってしまいましたが,疲労はかなりのものです.何故それなのにここまでの長文を作っているかというと(推敲なしですから,誤字脱字の可能性は大です),時差対策,いわゆる時差ボケ対策のため,敢えて起きている,そして,眠くならないためには何か書くのが良いだろう,とういこともあってこの作業(?)をしています.
フランスと日本の時差は7時間.日本のPM7:00はフランスの正午です.到着当初の2,3日は,朝4:00くらいに目覚めて困りました(そりゃそうですよね,日本では11:00ですから).
で,やっと慣れてきたと思ったら今度は帰国です.日本時間の深夜4:00(=28:00)になっても一向に眠くなりません.向こうではまだ夜9:00ですので.という訳で,明日から早速仕事再開のため,朝ちゃんと起きられるように今日は”少々無理して普通の夜の時間に寝る”のが目標です(つまり,今眠くても我慢する).

2011/04/05

新年度ですね

twitterでは既にご挨拶しましたが,改めて,新年(度),明けましておめでとうございます.今年度から東京高専の一員となる1年生の皆さん,および専攻科1年生の皆さんは,今日が入学式ですね.式典は午前中で終了しました.午後からはオリエンテーションがありますので,新(本科)1年生の皆さんはもう少し頑張って付き合ってもらえればと思います。

さて,2年生以上の皆さんは明日から授業開始ですね.いきなり忘れ物等しないように.等と言っておきながら,僕の最初の授業担当は4月19日でしょうか.ここを読んでいる人の多くは知っているでしょうが,10日(土)からパリ出張(国際会議)です.地震への対応はもちろん,当初からある年度末,年度初めの業務のため,準備が中々進んでおりませんが,何とかなります.いや,何とかします.一言だけ注意しておくと,このようにギリギリになっても準備ができると言いきれるのは,既に何百回も(ちょっと大げさですが,百回以上はしていると思います)いろいろなところで発表をし,資料作り,プレゼンテーションのノウハウがある程度頭に入っているからですので,多くの4年生,5年生,専攻科生は真似しないように.

とは言え,資料ができてからの発表練習に時間が割けないのはかなり痛いところですので,移動中の国際線の中(要は空の上)では,延々と一人イメージトレーニングを繰り返していることでしょう.こればかりはどんなに場数を踏んでいても,練習をしっかりしないとまともな発表にはなりません.以前紹介しましたが,かのカリスマプレゼンター,アップルのジョブズも練習には膨大な時間のリハーサルを費やすそうですから.その上,日本語での発表と違い,英語での発表の場合には,いつもにプラスアルファした準備が(僕の場合)必要になります.日常会話なら,多少の文法ミス,単語の違いはいくらでもフォローできますが,厳密さが重要かつ,発表時間が限られた学会発表では慎重を期して,ある程度話す内容は決めておくのです.

資料はおおよそできていますが,確実にこの後”圧縮”の作業が入ります.資料を修正しながら,話す内容を確認しながら,練習しながら,といった作業があるのですが,何とか金曜日までには”練習だけ”に集中できるところまで持っていきたいところ.
今回は発表グループの座長も担当することになっているので,座長が発表時間オーバー等という恥ずかしいことにならないように頑張っています.

2011/03/21

地震から10日

東北・北陸を中心に,関東地方にまで被害を及ぼした(及ぼしている)東日本大震災が発生してから10日が経ちました.本校学生,教職員への被害が(健康面で)最小限だったことが不幸中の幸いではありますが,日が経つに従い,その惨状には目を覆いたくなるばかりです.

この震災について振り返ったり,批判したりするのは時期尚早でしょうが,現時点で実感していることを一つだけ書き残しておきたいと思います.
それは,我々工学に携わる人間は,

”科学を一般の(普段科学や工学に触れることのない)人々にもっと分かりやすく伝える必要がある”

こと,そして,

”そのような人々に科学・工学への親しみをもっともってもらうことをもう一つの使命とすべきだ”

ということです.

現時点では詳細なこと,正確なことはいえませんし,僕も決して専門家ではありませんが,多くの人が原発(=放射能)に対して抱いている不安より,多少の知識がある我々のほうが,少なくとも冷静に事態を観測できていると思います.そもそも,マイクロとミリがどのように違うのかさえ,一般の多くの人には理解しがたい部分があるのです(我々がそのようなことでは,学生なら専門の単位が危なくなるでしょうが).知識がないことが,さらなる不安をあおります.たとえ大変な状況であっても,知識があれば,もしくは自分の持つ知識を使って予想(想像)がつけば,パニックになることはないと思います.

日本は科学技術立国と言われて久しいですが(既にその神話は崩れつつあるという話もありますが),科学・工学の専門的知識と,一般社会での生活の間に大きな溝があることを,我々は見てみぬふりをしてきたように思います.正しい情報を伝えることは当然ですが,その情報を,本当に分かりやすく伝えるためには,当事者にそれなりの知識と,分かりやすく伝えようとする意思や工夫が必要です.
日本の将来を背負って立つ皆さんには,知識をしっかりと身につけ,それを応用する力が必要なのは言うまでもありませんが,さらにもう一歩踏み込んで,それら知識や技術が一般社会から”浮いて”しまわないよう,我々を含む全員にとって身近なものとして捉えられるよう表現する能力も身に着けて欲しいと思います.

今後,復興に向けて我々をはじめとする多くの国民が選択を迫られる場面が多々あるでしょう。そのようなとき,例えば身近な家族や友人に,現在の状況がどのような状況なのか,我々が持っている科学的,工学的知識とコミュニケーション能力を駆使して,分かりやすく伝えることができれば,それは人々の不安を取り除き(もしくは,状況を正確に把握することを助け),より多くの人が,より適切な判断を下すことの助けになることは確実です.学校での勉強とは違いますし,ある意味,学校での勉強より,学会での研究発表より難しい課題であるかもしれませんが,取り組むに足る重要性のある課題であると考えています.

あくまでも個人的な意見でありますが,このブログを読んだ皆さんには,自分自身で一度,考えてもらいたいことです.

2011/02/11

とんでもない雪でした(?)ね

前々回から前回にかけて,更新間隔が一気に狭まったせいで(?)雪が降ってしまったのでしょうか?現在は小康状態ですが,今日は午前中から雪が激しく降っていました。新宿周辺でも降っていましたし,八王子でも一時,かなり積っていたので,少なくとも都内全域で降っていたのでしょう.

さすがにこのくらい降って積もると,我が地元北海道の冬に近づいた感がありますが,先ほど外を見たら既に溶け始めているので,やはりこちらでは,そう簡単には積もらないですね.

さて現在,東京高専は思いっきり”試験期間中”ですが,僕はまだ自分担当の試験問題を全部作り終えてはいません.ということでつい先ほどまで,作らなければいけない2教科のうち1教科の問題づくりに取り組んでいました.ただ,そればかりに専念しているわけにもいかず,課題の採点やら,来週に迫った入学試験の準備やら,はたまた”本当は”昨日が締切だったはずの卒業論文の内容チェックやらもしなければいけません.試験問題も,明日には一つ片付きそうな気配なので,今日寝るまでの残り時間は,学生の皆さんが執筆された卒論を拝見しようかと思っています・・・

そういえば最近,めっきり書籍紹介をするのがご無沙汰となっていますが,読んでいないわけではありません.読んでいるのですが,読む時間が極端に少なくなっているだけです.基本的にこのブログでは,情報系,学術・研究系に関連する書籍を紹介することを意識的に多くしていますが,それ以外の本も読んでいます.最近読んだ本では,立ち食い蕎麦の本がありました.読んだあと,食べました(笑).
あと,これもつい最近,文庫本などではなく雑誌ですが,numberというスポーツ雑誌を読みました.サッカーのアジア杯特集でしたね.現在ではアジア杯優勝に沸き立ち,その盛り上がりも一段落した日本ですが,ザッケローニ監督に決定するまでの間にはかなり批判的な記事も出回りました.大会そのものに関する記事も面白かったですが,記憶を呼び起こす意味で,また,日本がはじめて”本気で”代表監督を探すプロセスを,今だから語れる内容を交えた記事は興味深いものがありました(ページ数的には高々数ページでしたが).

2011/02/05

更新頻度アップ

とは言っても,たかだか1回/2カ月が1回/1カ月になった程度な上,まだ今年に入ってから2回目の更新ではありますが,まぁお許しください.

学生の皆さんは年度末ということで,もちろん試験が近づいてきて忙しい人が多いことに加え,卒業年度の学生さんは卒研,特研(特別研究)で多忙な毎日を過ごしていることでしょう.かくいう僕もそんな学生さんの卒論やら学会発表要旨やらの添削で(とか言いながら,実はまだ学会の要旨しか見ていませんが)結構な分量の文字をインプット/アウトプットしています.それ自体は決して嫌いな作業ではないし,自分の勉強にも,新たな発見にもつながるので意義深いものと考えているのですが,ここまで”重なる”とさすがに体力的には厳しくなってきます.

そもそも,年度末に学会・研究会が多い上,卒研等学校のイベントもあり,さらに自分自身の発表等などもあるわけですからねぇ・・・ま,そもそも,年度末が忙しい,なんて言っているうちはまだ良いのです(苦笑).

さて,そんなこんなで自分自身としてもなかなかにイベント目白押しな年末年始(&年度末年度始)を過ごしているわけですが,その第一弾として先週,札幌へ研究会発表に言ってきました.札幌は妻の実家がある上,僕も学生として8年住んでいたので勝手知ったる街,出張手配はすんなり済んだものの発表準備はギリギリになるわ,そもそも札幌は寒いわ(当たり前ですが).北海道には,地元函館を含め30年弱住んでいたというのに,本州にしばらくいると体が”本州仕様”になるのですね.偶然,雪が少ない日に行けたことが不幸中の幸いでした.

こちらに戻ってからは大嵐のような忙しさでしたが,研究して論文を書いているだけでは発表はできない,ということで,発表申し込みやら出張の手続きやら,宿・交通手段の手配やらでもかなり時間を取られました.出張の足ばかりは,発表が決まったのに行けませんでしたでは全く洒落にならないので極力早めに取る主義です.これが海外ならなおのこと,ということで、3月の山口・兵庫遠征の航空チケット&4月のパリ行きチケットはほぼ同タイミングで取りました(ただ,パリについてはかなり危なかったのです.安いチケットで行くには限界のタイミングだったようで・・・初めて,スカンジナビア航空で,コペンハーゲン経由で,これまた初めてパリ入りします).

飛行機を取ったら安心,と油断して,意外と忘れるのが宿,ということで,神戸とパリの宿も連続して取りました.神戸の方は,学生さんも一緒ですから,彼らが宿を押さえたのとほぼ同じタイミングで予約.問題はパリで,土地勘は全くない上,フランス語がさっぱりなので,地図を見て学会会場との位置関係を測るのにも結構苦労しました,が,数時間もするとだんだん慣れてきて,交通網のアクセス状況も把握できるようになってきたので,つい先ほどブックしました.

で,実はこれでひと通りおしまい,と思っていたのですが,すっかり忘れていたのが山口県の宿.学生さんは自身の発表もあるので”発表申し込みと一緒に宿泊も!”なんて言っていたような記憶があるのですが,当の自分はそれ(=学生が申込完了)ですっかり安心して,完全に忘れていたという.で,何故それに気付いたかという話なのですが・・・実は完全に忘れていて,何度か問い合わせで担当いただいた先方の先生が,「学生さんは申込完了しておりますが,先生は・・・?」と確認メールを送っていただき,それで気がついた次第で(苦笑).
危なく,引率教員が研究会会場付近で路頭に迷うという,中々な状況に陥るところでした(自分の不注意で).

久しぶりのアップなので,一気に吐き出しているところもありますが,実のところはまだもう一件,出陣する可能性の高い会議(国際)があります.国際会議ではあるのですが,会場は日本,その上再び(?)北海道は札幌,季節は最高の8月と来たもんだ.
・・・ただし,国際会議は通常の研究会よりも,申込締切や論文投稿の締切(deadline)が早めであることが一般的です.という訳で,この学会の論文締切は5月1日です.

この締切に間に合わせるには,多分きっと,パリのシャンゼリゼ通りにあるカフェの一角辺りで,観光なぞお構いなしに論文執筆に励む必要があるような,ないような.そもそも,シャンゼリゼのカフェで仕事しているなんてオシャレでしょうか?もしやったとしても,きっと浮くような気がしています.

ただ,そんな先の話(といっても2カ月後ですが)をしていてもしようがないのが実際のところ.まずは目の前のお仕事からしっかりとこなしていきましょう.何よりもまず,学生さんの卒業論文&その成果を発表する研究会要旨をまとめ上げること(を手伝うこと)が重要ですね.その一環として,このエントリを書きながら,某ICPCメンバーかつチーム名の由来となったにゃまさんのメール送信を待っているのですが(つい1時間半ほど前まで打ち合わせしていたのです),さすがにそろそろ体力の限界です(ネタはあるのですが1エントリのサイズとしては非常識になりますのでこの辺で).

お休みなさい.

2011/01/05

新年あけましておめでとうございます

前回更新が昨年の10月、前々回が8月・・・twitterでつぶやいているとはいえ、更新が2か月に一回ではどうしようもないですが、とりあえずブログを閉じる予定はありません(書きたいネタはたくさんあるのですが、書く時間がないのです).

とにもかくにも、新年あけましておめでとうございます。今年は年男ですが、年明け早々忙しいです。
twitterでも触れたと思いますが、今月下旬には札幌で研究会があり、3月には神戸と長門(山口県)でも研究発表があります(こちらは学生さんの発表ですが)。で、”年度明け”早々にはフランスで学会発表の予定です。

その間、東京高専でも様々なイベントがあります。早いところでは5年生の卒業研究発表、専攻科生の特別研究発表もありますね。こんな感じで順番にイベントを書き込んでいったら、年始早々にバテてしまいそうなので、まずは目の前の仕事に集中することとしましょう。ただし、今のうちに札幌とパリの発表資料作りには取り掛かっておかないと大変なことになりそうです。

最後に、読了してから数か月経ってもいまだにインパクト大、でも、さすがにそろそろ忘れてしまいそうなので、一冊だけ本の紹介を。

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則(カーマイン・ガロ 著)

もちろん、プレゼンテーションの How to としても素晴らしい書籍ですが、本としてのクオリティも高く、非常に読みやすい本だったので、数か月たった今でも非常に印象に残っています。
そしてもう一つ、これは個人的なイメージですが、非常に”取扱い注意”な書籍であるとも感じていました。
我々研究者や技術者にとって、プレゼンテーションスキルは(多分ほとんどの人にとって)必須の能力です。その意味で、この本で紹介されているスティーブジョブズ(まさか知らない人はいないと思いますが念のため書いておきます・・・appleのCEOです)のプレゼン技術は非常に強力で、マスターして応用すればかなり効果的なプレゼンテーションができるでしょう。ただし、当たり前ですが彼(そして彼の会社)の目的は商品を売ることであって、我々のプレゼンの目的とは異なります(いずれ同じ目的でプレゼンをすることになる人もいると思いますが)。よって、この本に書いてあることをそのまま学会発表で活用すると、場合によっては”軽いプレゼン”になる可能性もあります。

そういう意味では、この本は読者にスキルの取捨選択や、使い方の応用も求めているといえるかもしれません。我々情報工学に携わる人間も同じですね。情報は世の中にあふれているとはいえ、使い方を間違えれば大変なことになるもの、そもそもガセネタ、そのまま使える情報など、玉石混交です。自分にとって重要な情報をどうやって見つけ、どうやって活用すれば自分にとって最も有効なのか、自分の状況に置き換えて、考えながら読むトレーニングのための本としても、同書は非常に素晴らしいテキストかもしれません。

かくいう僕の今年度の目標も、自分にとって、学生のみなさんにとって、学校全体にとって最も効率良く効果的な時間の活用術、仕事と研究のスケジューリングスキルを昨年以上に磨くことです。抽象的ですが、そういうことです。
久しぶりの長文となりましたが、今年もよろしくお願いします。

2010/10/05

とんでもなくご無沙汰

前回の更新が8月初め・・・ほぼ2カ月前ですね。大変ご無沙汰しております。

twitterでは多少sparseではありますが、つぶやいていました。そちらを見ていた人はご存知かと思いますが、8月末から結構大規模な(?)自宅引越がありまして、9月に入ってからは運んだ荷物の整理に専念・・・出来る訳もなく(苦笑)、研修旅行の引率、研究発表会への参加(2回)、学科イベントへの参加等などの合間を縫って荷ほどきをしています(現在完了形ではありません。残念ながら”進行形”です)。

9月末からは夏休みも明け、皆さん同様、我々教員も授業再開です。専攻科生の皆さんはインターンシップ報告会に研究中間発表、5年生も中間発表(≒コンソ)、4年生は専攻科生同様インターンの報告があります。授業以外にもいろいろ忙しいですが、心機一転、お互いに頑張りましょう。
僕は何とか今月前半くらいまでには、少なくとも自分の部屋の整理、ネット環境まわりの整備を終え、普段の生活を取り戻したい(^^;)と考えています。

そんな忙しい状況の中でも、趣味というか性(さが)というか、読書は続けています。皆さんに紹介できそうな本としては、現在、スティーブ・ジョブズのプレゼンに関する本を読んでいます。読了&時間が出来たら紹介したいと思っています。

2010/08/02

見出しに「機械学習」は珍しい

すっかり”一月に一回”の更新頻度となってしまい申し訳ありませんが,お察し下さい(苦笑)。
今回は,つい先ほど見た,どうしてもすぐにアップしておきたい記事を見つけたので,簡単にだけ紹介します。

【科学】将棋女流王将に挑むコンピューター 10月決戦 「機械学習」で棋力アップ 合議制で大ポカ阻止めざす (産経ニュースWeb版 2010.8.2 07:51記事)

タイトルにも書いた通り,機械学習の文言が新聞の見出しに載るのはかなり珍しいでしょうね。ちなみにここで言う機械学習は,(多分)ニューラルネットや強化学習,決定木の枝刈りあたりを指しているのだと思います。多分、と書いたのは,この手の将棋プログラムは競争相手が多いため,主要な部分はブラックボックスとしていることが多いためです(ちゃんと調べれば分かるかもしれませんが)。

私が以前所属していた大学の研究室でも,将棋の盤面評価や,良い手の探索などに関する研究が行われていましたので,ボナンザ,激指などといいう名称は非常に懐かしいです(他に,柿木将棋なんていうのもありました)。
ただし,私のところに来て,将棋のシステムを作りたい,といっても多分無理です。この辺りの分野には大きな知識やノウハウの蓄積が必要です。また,研究者が将棋にそれなりに詳しいことも重要だと思います(もちろん,知らなくても出来るかもしれませんが,知らない人がやりたいとは思わないでしょうね)。強化学習の研究についてならばいくらでも相談に乗りますが,強化学習を使った将棋の研究,となったとたんに一気にハードルが上がると思って下さい。
でも,面白いし夢のあるテーマだと思いますので,興味のある人は調べてみて下さい。

チェスでは,すでに世界チャンピオンを負かすシステムが出来ています。囲碁や将棋,分野は違いますが,サッカーでもいずれ・・・
@dkitakosi からのツイート