2010/05/12

日本の未来

人類にとって21世紀は希望のある社会になっていると思いますか?

なかなかドキっとする質問から始まる本

科学技術は日本を救うのか(北澤宏一 著)

は、GW中に読了しました。冒頭の質問は、1999年に米、中、韓、日の高校生に対して実施された調査の中に含まれていたそうです。結果がどうなっているか、実際に興味のある人は本書を読んでもらうとして、この本は、研究、産業、双方の面における「科学技術」が、今後の日本の行方にどれほどの影響を与える(と筆者が考えている)のかが述べられています。

第一章では、日本の科学研究の現状が、世界の主要国との比較をもとに記述されています。著者がJST(科学技術振興機構)理事長であることもあってか、悲観的な部分もありつつ、かなり楽観的、というか、”未来は明るい”といった論調での記述が印象に残りますね。もちろん、それなりの根拠も併せて示されていますから、そういう意味では非常に勇気を持たせてくれる内容、と言っても良いでしょうか(最近、その手のニュースが少ないから、かえってこのくらいで良いのかも)。

ただ、第二章、第三章と進むに従い、本の内容が科学技術云々と言ったところから、日本が低迷するに至った構造的問題や、その問題を解決するための取り組みに関するところへシフトしていき、ちょっと本のタイトルからは離れてきている?といった感想も抱きました。ただ、原因を分析しない限り、科学技術であれ観光であれ、何を手段としても日本の再生はない、ということなのでしょうね。

第四章では、それでは、日本を担う若い世代の人にどのような道を示すか、といった内容になっているのですが、ちょっと他の章と比べてボリュームが少ないかな、という印象が。
この本のハイライトは、やっぱり一章でしょうか。知っている情報も少なからずありましたが、かなり知識が整理されます。また、三章に記載されている”第四の価値”(第4次産業)という考え方も、なかなか斬新で面白いと思いました。

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