2023/03/15

BLUE GIANT ー音の迫力が凄まじいからこそ、原作の凄みがわかるー

正直申し上げて,完全なる”にわかファン”でした.ただ,偶然タイトルを見かけて電子書籍サイトで原作漫画の表紙とあらすじ,劇場版CMを見た瞬間,これは劇場版を見なければいけない,と,僕の第六感が命じたこの作品.

BLUE GIANT

基本的に好奇心は旺盛なので,特に映画音楽書籍系については分野にあまり関係なく”雑食”で,感覚にもとづいて行動する&比較的成功する確率が高いと自覚しています.そして今回の作品,最高でした.

一人の青年が世界一のジャズプレイヤーになることを目指して上京し,仲間と共に日本最高の舞台でのプレイを目指していくまでが本作のストーリー.冒頭記載の通り,広告を見てピンきたのが実際のところなので,まずは”予習”として原作のシーズン1を大人買いして読みました.
その上で劇場版に臨んだのですが,個人的には予習しておいて非常に良かった.劇場で購入したパンフレットを読んで初めて,当該作品はまさにこのシーズン1のストーリーがもとになっていることを知ったのですが,原作を読むことで劇場版の構成が非常に良く練られていることが理解できます(ストーリーと音楽のバランスや,演奏シーンとストーリーとの融合によるシーン構成が素晴らしい).時間の都合上圧縮されている部分もある一方で,原作には描かれていないいくつかのシーンが,主人公の青年たちの日常を瑞々しく表しているように感じられました.

今回,特に素晴らしかったのが音楽,というか”サウンド”

ジャズがテーマの作品ということもあり,当然劇中でたくさんのジャズナンバー(有名なものから,彼らが作ったオリジナルも)が流れるのですが,今回鑑賞した劇場の音響の素晴らしさも手伝い,それぞれの曲の躍動感やグルーブがモロに伝わってきて,思わず幾度となく体が動いてしまうほど.
元々Rhythm&Blues等,黒人由来の音楽やR&Bから派生した日本人ミュージシャンの曲を好んで聴いていることもあり,ジャズも時折聞いていましたが,今回,映画館の素晴らしい音響でジャズを初めて聴いて,かつ,映画内で主人公,宮本大が言う”ジャズは感情の音楽”と言うセリフも相まって,その迫力がとてつもなく素晴らしいことに感動しました.

加えて,そもそも劇中でのジャズ演奏,挿入されるその他の曲は,上原ひろみをはじめとする日本を代表するジャズミュージシャンが担当.これは本当に凄い.
あまりにも素晴らしかったので,映画を見た直後にサウンドトラックをダウンロード購入してしまいましたが,実はこのサントラ,率直に言って劇場で聞くほど良いとは感じられていません(今の所).なんと言っても・劇場の素晴らしい音響で,ビリビリと響くようなサックスの音圧で聴くことにこそ意味があると実感できたと言う意味で,あえて購入してよかったとも思っています(音量上げて,良い再生環境で,お酒を飲みながら(笑)改めてじっくりと聴いてみようと思っています).

原作漫画を読んで感じたのは,ジャズ漫画とはいえ当然,絵から音は出ないものの,まるで音が鳴っているかように見える(!?)臨場感やダイナミックさが素晴らしい表現力で,読者の多くが同様の感想を持っているようです.その一方,ある意味”音が鳴っていないのに鳴っているように感じる”ほど素晴らしい原作漫画の表現力を,映画館のド迫力サウンドで再現している(もしくはそれさえも超えている)と感じさせるのは,映画館ならではの素晴らしさだと思いました.
それこそ,メインキャストの宮本大,玉田俊二,沢辺雪祈のリアルなライブに来場して,その場に本人たちがいるかのような臨場感を味わうことができました.

本当に文字通り,映画館で観なければ(聴かなければ)味わえない感動だと思います.

最後にこの映画のストーリーについての感想です.
原作を予習しておいて,加えて,事前にパンフレットも予習しておいて良かったです.
あまり書きすぎても野暮ですので控えますが,実のところ、恐らくどの順番で見ても,観た人それぞれの感動があると思いますが,僕は個人的に,

”漫画 → 映画のパンフレット → 映画本編”

の順番で観ることができてよかったと思っています.

本作,原作の漫画は現在シーズン3(でしょうかね?)として連載中で,実は僕はまだシーズン2の冒頭までしか読めていません.が,この時点で今後の展開がさらに楽しみになってしまっているので,(他に読みたい本もたくさん後に控えているのですが ^o^;;)早めに読み進めていければと感じているところです.


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